12月6日午前のセッションから、注目講演を紹介する。メモリセルと論理演算を統合することで脳神経回路を模倣する研究の成果や、10nm/7nm世代のCMOSロジック量産技術についての発表が行われる。
前回は、技術講演の2日目である12月5日(火曜日)の午後の講演セッションと注目講演をご報告した。今回は、最終日である12月6日の午前のセッションから、概要と注目講演をご紹介する。
この時間帯は、セッション28からセッション34までの6本の技術講演セッションが同時に進行する。テーマは、インメモリコンピューティング(セッション28)、最先端プラットフォーム技術(セッション29)、ナノデバイスのシミュレーション(セッション31)、3次元集積(セッション32)、GaNパワーデバイス技術(セッション33)、シリコンフォトニクス(セッション34)である。なおセッション30は、プレナリセッションとなっている。
この時間帯は、セッション28とセッション29に興味深い講演が多い。
セッション28では、メモリセルと論理演算を統合することで脳神経回路を模倣する、あるいは、大量のメモリアクセスを減らす、といった研究成果が目を引く。
Politecnico di MilanoとMicron Technologyの共同研究チームは、脳神経回路を模倣したReRAMベースの学習回路を設計するための、指針となるモデルを提唱する(講演番号28.1)。ReRAMをシナプスとするスパイクタイミング依存シナプス可塑性(STDP: Spike-Timing Dependent Plasticity)をベースにモデル化した。
National Tsing Hua Universityを中心とする共同研究グループは、ANDあるいはOR、XORの論理演算機能とメモリ機能をまとめたReRAMマクロを発表する(講演番号28.2)。書き込みを自動的に完了する機能によってReRAMの抵抗ばらつきを抑制した。0.15μmのCMOSプロセスで16MビットのReRAMマクロを試作した結果を示す。
NaMLabは、二酸化ハフニウム(HfO2)の強誘電体トランジスタ(FeFET)を使った、再構成可能なNAND/NOR論理ゲートを開発した(講演番号28.5)。28nmの高誘電率金属ゲート(HKMG)技術と22nmの完全空乏(FD)型 SOIのFeFET技術によって製造する。
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