Microchip Technologyが、Microsemiを83億5000万米ドルで買収する。買収後の年間売上高は約58億米ドル規模となる見込みだ。
Microchip Technology(以下、Microchip)は2018年3月1日(米国時間)、Microsemiを約83億5000万米ドルで買収することで合意したと発表した。
これにより、通信、航空宇宙、防衛市場などにおいて、Microchipの地位が大幅に向上することになる。これらの分野は、Microsemiの売上高の約60%を占めているからだ。Microchipは、この買収により、同社が携わる市場が約180億米ドルから500億米ドル以上に拡大できるとの見通しを述べた。
両社の取締役会で全会一致で承認された契約条件に基づき、Microchipは、Microsemiの1株につき68.78米ドルを支払う。これは、2018年2月28日の市場終値のMicrosemiの株価64.30米ドルに対し、7%のプレミアムを付けた金額となっている。
買収後のMicrochipは、2017年第4四半期の各企業の業績に基づくと、約58億米ドルの年間売上高となる見込みだ。Microchipによれば、買収の相乗効果は、約3年後に見込めるとしている。
Microchipのチェアマン兼CEO(最高経営責任者)であるSteve Sanghi氏は、「当社の成長および株主にとっての価値を高める重要な戦略の一環として、Microsemiの買収は最適なものであり、この買収は当社にさらなる価値と顧客規模をもたらすだろう」と述べた。同氏は、買収後にMicrosemiの事業の一部を売却する方針はないとした。
IC Insightsによれば、半導体業界の買収総額は、2015年の1073億米ドル、2016年の998億米ドルから、2017年は約277億米ドルに減少した。ただ、半導体市場自体は堅調を維持している。
現在、承認や合意を待っている大型買収案件は2件だ。QualcommによるNXP Semiconductors買収は、中国当局の承認を待っている。BroadcomによるQualcomm買収も、株主総会で決定される見込みとなっている。
【翻訳、編集:EE Times Japan】
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