「MWC(Mobile World Congress) 2018」に出展したNokia(ノキア)は、46件にも上るデモを巨大なブースで披露した。中でも来場者からの注目度が高かったのが、モバイルネットワーク向けとしてはノキアが初めて自社設計したチップセットや、5G(第5世代移動通信)で重要視されているネットワークスライシングなどのデモだ。
スペイン・バルセロナで開催された「MWC(Mobile World Congress) 2018」(2018年2月26日〜3月1日)は、「MWC 2017」に引き続き、5G(第5世代移動通信)関連の製品やデモが多数展示されたという(関連記事:「5G向け製品が百花繚乱、実用化に近い形で展示」)
MWC 2018に出展した中で、第3位のブース規模を誇るNokia(ノキア)でも、5G関連の技術は来場者からの注目度が高かった。
同社はMWC 2018で、30もの新しい製品やサービスを発表。ブースで披露したデモの数は46件に上る。MWC 2017では28件だったが、それに比べて大幅に増やしたことが分かる。
数多くの発表の中でも特筆すべきは、モバイルネットワーク向けのチップセットとして発表した「ReefShark」だろう。Massive MIMO(大規模MIMO)をサポートする5GおよびLTE向けのチップセットで、デジタルフロントエンド、RF ICフロントエンドモジュールおよびトランシーバー、そしてベースバンドプロセッサの3種類で構成される。
ReefSharkは、モバイルネットワーク向けとしてノキアが自社開発したシリコンとしては、初めての製品になる。ノキアの日本法人であるノキアソリューションズ&ネットワークスでモバイルネットワークス製品事業統括部長を務める三浦宏幸氏は、「5Gにおいて、通信機器ベンダーとして強い立ち位置を維持するためには、自社開発のチップセットが重要になると認識しており、約4年前からReefShark開発のプロジェクトを進めてきた」と語る。
ノキアのチップセットはこれまでシリコンベンダーが開発してきたが、この場合、どうしても開発のスピードがシリコンベンダー依存にならざるを得ない。さらに、シリコンベンダーとしては通信機器以外の用途もターゲットとしているので、“通信機器に特化したチップセット”を開発しにくい側面もある。
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