シリコンフォトニクスとは何か:福田昭のデバイス通信(143) imecが語る最新のシリコンフォトニクス技術(3)(2/2 ページ)
シリコンフォトニクスの市場はいつごろに立ち上がるのだろうか。光エレクトロニクスの市場調査会社であるLightCountingの予測によると、シリコンフォトニクスの市場が本格的に立ち上がるのは2020年代になりそうだ。
LightCountingの予測では、光トランシーバーの市場をGaAs系のディスクリート(個別デバイス)とインテグレーテッド(集積化デバイス)、InP系のディスクリートとインテグレーテッド、それからシリコンフォトニクスに分けている。光トランシーバーの市場はまずディスクリートから立ち上がり、それからインテグレーテッドが立ち上がった。これまでの主流はディスクリートである。
今年(2018年)には、ディスクリートの市場規模に、インテグレーテッドの市場規模が並ぶようになるとLightCountingは予測する。特に成長が期待できるのは、InP系のインテグレーテッドである。
シリコンフォトニクスの市場は、インテグレーテッドの後を追って立ち上がる。2021年には、光トランシーバー全体の10%〜20%をシリコンフォトニクスが占めると同社は予測している。
光トランシーバーのデバイス別市場予測(左)とシリコンフォトニクス技術をベースとする製品の市場予測(右)。出典:imec(クリックで拡大)
(次回に続く)
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