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米国でC-V2X実証、PanasonicやQualcommなど参画802.11pとの競合優位性も強調

Qualcommは2018年6月1日(米国時間)、Ford Motorおよびパナソニック北米法人のPanasonic Corporation of North Americaと、米国コロラド州でのセルラーV2X(C-V2X:Cellular Vehicle-to-Everything)導入に向けて提携を行うと発表した。

» 2018年06月05日 15時30分 公開
[松本貴志EE Times Japan]

 Qualcommは2018年6月1日(米国時間)、Ford Motor(以下、Ford)およびパナソニック北米法人のPanasonic Corporation of North America(以下、Panasonic)と、米国コロラド州でのセルラーV2X(C-V2X:Cellular Vehicle-to-Everything)導入に向けて提携を行うと発表した。

 3社はこれまでもC-V2X技術開発に共同で参画しており、同年夏からコロラド州デンバー市のスマートシティー「CityNOW」内の道路でC-V2Xの評価を行う予定。その後、同年内にI-70 Mountain Corridor沿いの地域で展開する予定だ。

直接通信とネットワーク通信に対応するC-V2X

写真提供:アフロ

 同事業は米国内で初のC-V2X導入となり、Panasonicが以前よりコロラド州政府と提携し推進してきたC-V2X技術開発をさらに発展させたもの。Panasonicは、ロードサイドユニット(RSU)を提供するKapsch TrafficComと、オンボードユニット(OBU)を提供するFicosaとも協業し、Fordの既存車両に対してFicosa製OBU装備を搭載する。

 これらC-V2Xデバイスには「Qualcomm 9150 C-V2Xチップセット」が装備されており、車車間(V2V:Vehicle to Vehicle)/路車間(V2I:Vehicle to Infrastructure)などの直接通信に対応。さらに、ネットワーク通信も可能なことから、Panasonicが提供するコネクテッドビークルデータプラットフォームと組み合わせることで、各車両からC-V2Xデータを収集し道路事業者に道路周辺の最新情報を提供することや、安全に関わる情報を事業者から車両に送信することも可能になる。

 C-V2Xはセルラーネットワーク技術をベースに開発された免許不要の5.9GHz帯を利用する通信方式。Qualcommによると、最近のフィールドテスト結果では同じく5.9GHz帯を利用するIEEE 802.11pと比較して2倍以上の範囲と信頼性の向上があったという。

 また、米国の他にも日本、韓国、中国、ドイツ、フランスでC-V2Xの実証が予定されている。日本においてはQualcomm、コンチネンタル・オートモーティブ・ジャパン、エリクソン、日産自動車、NTTドコモ、沖電気が実証メンバーに参画しており、2018年中ごろの試験開始を目指している。

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