半導体前工程ファブ用装置の投資額は、2019年は675億米ドルとなり、年間投資額で過去最高となる見込みである。また、2017〜2020年に着工される新規ファブ向け装置投資額は2200億米ドルを上回る見通しだ。
SEMIは2018年9月17日(米国時間)、半導体前工程ファブ向け装置の投資額を発表した。2019年は675億米ドルとなり、年間投資額で過去最高となる見込みである。また、2017〜2020年に着工される新規のファブ向け装置投資額は2200億米ドルを上回ると予想した。
SEMIは、四半期ごとにファブに対する装置の投資額や生産能力、テクノロジーノード、ウエハーサイズなどのデータを「SEMI World Fab Forecast」としてまとめている。今回のレポートでは2019年までを予測した。
8月末に発行した最新レポートによると、ファブ装置の投資額は2018年に628億米ドルを見込む。前年に比べて14%の増加となる。2019年は675億米ドルと予測した。前年に比べて7.5%の増加となる。新規ファブの建設に投資される金額は、2019年に530億米ドルとなる見通しだ。
ファブ装置への投資額は、技術や製品の進化と生産能力の拡張に向けて増加する。新規工場の建設ラッシュも後押しする。同レポートによると、2017年から2020年にかけて78件の新規ファブ/ラインが着工される予定である。計画されている78件のうち、59件は2017年と2018年に着工される。残りの19件は2019年と2020年に着工される見通しだ。
これらの投資計画から予測した結果、新規ファブ/ラインへの装置需要として、2200億米ドルが発生すると予測した。具体的な投資の実行時期については、2017〜2018年に10%未満、2019〜2020年に約40%、残りが2021年以降と分析する。
新規ファブに対する投資計画は、その後も高い水準で続いており、予測を上回る可能性もあるという。実際に、2018年6月発表の前回レポートに比べ、今回のレポートでは18件の新規計画が追加された。
2017〜2020年着工の新規ファブ向け装置投資額を、国/地域別にみると、首位は韓国の630億米ドル。中国が620億米ドルと続く。その差はわずか10億米ドルである。3位は台湾の400億米ドルとなった。そのあとが日本(220億米ドル)と南米アメリカ(150億米ドル)である。欧州と東南アジアは80億米ドルとなり、同規模で並んだ。
製品別には3D NANDフラッシュメモリを中心に、メモリ分野向けが装置投資額全体の60%を占める。また、3分の1はファウンダリー分野向けだという。
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