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横河計測、主力オシロスコープを刷新操作性が大幅向上

横河計測は2018年10月30日に、周波数帯域200M〜500MHzのミドルレンジクラスオシロスコープの新製品「DLM3000シリーズ」を発売する。従来のミドルレンジクラスオシロスコープ製品から構成ハードウェアを一新し、性能、使い勝手を大幅に高めた。

» 2018年10月26日 13時30分 公開
[竹本達哉EE Times Japan]

 横河計測は2018年10月30日に、周波数帯域200M〜500MHzのミドルレンジクラスオシロスコープの新製品「DLM3000シリーズ」を発売する。従来のミドルレンジクラスオシロスコープ製品から構成ハードウェアを一新し、性能、使い勝手を大幅に高めた。自動車開発現場やパワーエレクトロニクス関連用途など幅広い用途に向ける。

ミドルレンジクラスオシロスコープの新製品「DLM3000シリーズ」 (クリックで拡大)

 DLM3000シリーズは、横河計測の主力オシロスコープ製品と位置付け2008年から展開してきた「DLM2000シリーズ」の後継機。設置面積が小さくなる縦長の筐体を採用し、外観はDLM2000シリーズと似通っているが「中身は全て一新した」(同社)という。

 「搭載CPUや信号処理回路などを最新のものに更新し、スペックに現れない基本的な動作速度が高まるなど、操作感が大きく向上している点がDLM3000シリーズの大きな特長の一つ」(同社)。操作性では、新たに搭載したタッチパネルにより、より直感的な操作も可能になっている。

 スペック面では、最高サンプリングレートがDLM2000シリーズの2倍に相当する2.5Gサンプル/秒に向上。アクイジションメモリも従来比2倍の500Mポイントまで大容量化している。

 信号処理回路の刷新により、残留ノイズを従来に比べ半減させ、測定感度調整レンジとして、最小500μVの微小入力レンジを追加した。最大入力電圧についても従来比2倍の300Vrmsまで拡張し、幅広い電圧の信号波形を取得できる。

独自のヒストリ機能を強化

 横河計測製オシロスコープの独自機能である「ヒストリ機能」も強化。ヒストリ機能とは、過去に取り込んだ波形(=ヒストリ波形と呼ぶ)を自動的にアクイジションメモリに保持する機能。想定外の異常波形やトリガで補足しにくい波形に対しても、さかのぼって波形を確認できる。DLM3000シリーズのヒストリ機能は、従来比5倍に相当する最大10万個の波形を保持できるように強化され、より過去の波形までさかのぼることができるようになった。

 DLM3000シリーズは、200MHz帯域品、350MHz帯域品、500MHz帯域品のそれぞれで2チャンネルモデル、4チャンネルモデルを用意。各モデルとも、全チャンネル同時測定に対応。内蔵ストレージは、60Gバイト容量のSSD搭載が可能になっている(オプション)。

 横河計測では、自動車開発現場での利用に向けて、オプションのシリアルバス解析機能も豊富に用意。UART、I2C、SPIの他、CAN、CAN FD、LIN、FlexRay、SENT、CXPIといった車載用途で使用されるシリアルバスも含め、ビットレートや電圧レベルなど面倒な初期設定が不要ですぐに解析が行えるオートセットアップに対応した解析機能として提供する。その他、ユーザー定義演算や電源解析機能といったオプションも用意している。

 価格は、200MHz帯域/2チャンネルモデル(本体のみ)で44万7000円(税別)で「DLM2000シリーズとほぼ同じ価格設定になっている」(同社)という。500MHz帯域/4チャンネルモデル(本体のみ)は102万8000円(税別)。

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