2018年の車載用リチウムイオン電池(LiB)市場見込みは62.2GWhで、前年に比べ8.3%の増加となる。
矢野経済研究所は2018年11月、車載用リチウムイオン電池(LiB)の世界市場を調査し、製品セグメント別の動向などを発表した。これによると、2018年の車載用LiB市場見込み(容量ベース)は62.2GWhで、前年に比べ8.3%の増加となる。
同調査は、乗用車と商用車のマイクロハイブリッド車(M-HEV)、ハイブリッド車(HEV)、プラグインハイブリッド車(PHEV)、電気自動車(EV)に向けたLiB製品を対象とした。調査期間は2018年4〜9月で、世界の主要な自動車メーカーと日本、韓国、中国の車載用LiBメーカーに直接面談するなどしてまとめた。
調査結果によると、2017年の車載用LiB市場は57.4GWhで、前年に比べ23.1%増と大きく伸びた。世界的に強化が進む環境規制と、xEVに対するさまざまな優遇策などがLiB市場の拡大を後押しする。ただ、車種によって明暗が分かれた。乗用車EV向けLiB需要は高い水準で続伸する。一方で、中国におけるEVバス向け補助金減額などの影響もあり、商用車EV向けLiB需要は前年を下回った。
2018年の車載用LiB市場見込みについては、補助金制度の見直しや各種規制の状況などから、成長率はやや鈍化するものの、乗用EV向けは堅調に推移するとみている。
2019〜2020年に向けては、各国が予定するxEV優遇政策などもあり、車載用LiB市場は世界的に拡大する見通しである。この結果、2020年の市場規模を129.2GWhと予測した。その内訳は、HEV用が約1.3GWh、PHEV用が約10.3GWh、EV用が約117.6GWhである。
2025年の市場予測も行った。全体では214.5GWhと予測した。内訳はHEV用が約2.7GWh、PHEV用が約26.2GWh、EV用が約185.6GWhとなる。
また、車載用LiB市場に影響を及ぼす要因として、燃費規制や補助金制度などの「政策変動」や、航続距離の延長に向けた「高容量化」および、「低コスト化と安定調達」を挙げた。
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