「RISC-Vが、ビジネス向けに開放される」。RISC-Vの提唱者らは米国シリコンバレーで2018年12月4日に開催された、RISC-Vの第1回年次サミットにおいてこう主張した。
「RISC-Vが、ビジネス向けに開放される」。RISC-Vの提唱者らは米国シリコンバレーで2018年12月4日に開催された、RISC-Vの第1回年次サミット「RISC-V Summit」においてこう主張した。今回のイベントは、RISC-Vの支持者たちが、「中国は現在、アーキテクチャを実現すべく、数百種類のRISC-V SoC(System on Chip)や数十種類のコアの開発を進めているようだ」と指摘する中で、開催された。サミットでは、各社がさまざまな発表を行った。
Western Digital(WD)は、32ビットの組み込みコアに関する詳細を発表。2020年に出荷予定の、コンシューマー向けSSDのコントローラーに搭載するという。オープンソースとしてリリースし、コアとプロトコルはいずれも、RISC-Vプロセッサ用のキャッシュコヒーレントなインターコネクト向けとする。まずは、64ビットコアで動作を開始したようだ。
Microsemi(Microchip Technologyにより買収済み)は、5コアコンプレックスを発表。2020年初めまでに、同社のPolarFire FPGAに組み込む予定だという。同社はこのチップを実現することにより、RISC-Vの使用を標準化するための計画において、最初の一歩を踏み出すことになる。
現在活気にあふれる機械学習の分野では、新興企業SiFiveが、2種類のRISC-Vチップを発表した。1つは、NVIDIAのDLA(Deep Learning Accelerator)をベースとする組み込み推論チップで、もう1つは、新しくマイニングされたRISC-Vベクトル拡張と、HBM2メモリ、56Gビット/秒(bps)対応のSerDesを使用するトレーニングチップだ。
RISC-V Foundation創設当初からのメンバーであるGoogleは、RISC-VチップのZephyr OSで動作する組み込みシステムに向けたソフトウェア「TensorFlow Lite」を発表した。ビットコインマイニングチップを手掛けるリーダー的企業Bitmainは、同社が2017年に発表したAIチップ「Sophon Edge」が、センサーハブとしてRISC-Vコアを使用しているということを明らかにしている。
韓国の新興企業Faduは、7nmプロセスを適用した、64ビットRISC-VコアベースのSSDコントローラーを発表する。また、2017年に開催されたRISC-Vワークショップでデビューを果たした新興企業Esperantoは、高周波数のアウトオブオーダ型RISC-Vコア「ET-Maxion」を発表した。TSMCの7nmプロセス向けに開発したという。
今回のイベントでは、NXP SemiconductorsやQualcomm、FacebookのAR(拡張現実)/VR(仮想現実)チップ開発グループなどが、基調講演に登壇。また、RISC-Vのセキュリティアーキテクチャや、ツールベンダーからのニュースなどについて、さまざまなセッションも行われた。
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