米国EE Timesは「CES 2019」で、Qualcommのオートモーティブ担当にインタビューを行い、同社の車載向け製品の戦略について聞いた。
QualcommとNXP Semiconductors(以下、NXP)の合併が完了していれば、2019年1月8月から11日まで米国ネバダ州ラスベガスで開催された「CES 2019」は、“世界最大の車載半導体メーカー”のお披露目の場となっていただろう。コネクティビティから車載インフォテインメント、自動運転のためのセントラルコンピューティング、安全性、セキュリティ、モーター制御まで、あらゆる領域を網羅していたはずだ。
2018年12月、Linley GroupのシニアアナリストであるMike Demler氏は、EE Timesに対し、「Qualcomm/NXP陣営は、強力なADAS(先進運転支援システム)プロセッサのプラットフォームを開発し、Intel/MobileyeやNVIDIAのシステムと競い合っていたに違いない」と述べた。
ご存じの通り、中国当局の承認が長引いたことで、QualcommによるNXP買収の案件は破談に終わった。
NXPは2019年1月8日(米国時間)、高度自動運転車向けのセントラルコンピューティングプラットフォーム開発で、Kalrayと提携することを発表した。一方のQualcommは、CESで開催したプレスカンファレンスの時間の7割を使って自動車用チップを宣伝する中で、コネクティビティと車載インフォテインメントシステムでの優位性を強調した。
Qualcommは、「Snapdragon 602A」と「同820A」をベースにした「Snapdragon Automotive Cockpit Platform」の第3世代についても説明した。
Moor Insights and Strategyでプレジデント兼主席アナリストを務めるPatrick Moorhead氏は、今回の動きによって、Qualcommは「ニッチプレイヤーとしての競争相手」になったとツイートした。Qualcommは新たなプラットフォームについて、「自動車業界で初めて発表された拡張可能なAI(人工知能)ベースのプラットフォーム」と称している。Moorhead氏は、NXPではこのようなプラットフォームを提供することはできないと断言している。
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