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「後工程+SMTをワンストップで」、ヤマハ発動機新川、アピックヤマダを統合(2/2 ページ)

» 2019年02月13日 10時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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後工程+表面実装

 3社の事業統合を後押しした要因の一つは、半導体製造装置市場の成長だ。IoT(モノのインターネット)やAI、自動車などが追い風となり、半導体製造装置市場は、中長期的な目で見ると堅調な伸びが予測されている。

 さらに、SiP(System in Package)や高密度モジュールなどの市場が拡大し、FOWLP(Fan Out Wafer Level Package)などの実装技術が発展する中、一部の前工程を含め、後工程と実装工程が重複する部分が増えてきていることも、3社が事業統合を決断した大きな理由だ。

 アピックヤマダの社長を務める押森広仁氏は、これを「中間工程的なモノづくり」と説明する。同氏によれば、実際、後工程の装置を手掛けるメーカーと実装装置メーカーのM&Aが、約10年前から見られるようになっているという。例えばパッケージング装置の大手メーカーである香港のASM Pacific Technologyは2011年に、SMT装置メーカーのSiemens Electronics Assembly Systemsを買収。FUJI(旧富士機械製造)は2018年に、ダイボンディング装置メーカーのファスフォードテクノロジを買収すると発表している。押森氏は、「プロセス技術の進化に合わせて、われわれも進化していかなければならない」と語る。

後工程とSMTの重なりが大きくなってきた(クリックで拡大)

 新川の社長である長野高志氏は、「これまでの日本は、後工程の装置メーカーと、実装装置メーカーがばらばらだった。だが、製造プロセスが進化する中、世界と競争するには、これらのメーカーが連携を強めなくてはならない。今回の事業統合が、日本における最初の本格的な連携の枠組みになれば」と語った。

左からアピックヤマダ社長の押森広仁氏、ヤマハ発動機 取締役 常務執行役員の加藤敏純氏、新川社長の長野高志氏
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