2019年のVLSIシンポジウム(以下、VLSI)が6月9〜14日に、京都のリーガロイヤルホテルで開催された。今後の半導体業界の進む方向性を伺える内容が多かったのでレポートする。
2019年のVLSIシンポジウム(以下、VLSI)が6月9日(日曜日)から14日(金曜日)にかけて、京都のリーガロイヤルホテルで開催された。VLSIは、ハワイと京都で隔年開催されるが、京都開催となる今回は、Short Course(659人)もTechnical Session(1244人)も、過去最高の出席者で大盛況となった。
VLSIの出席者数の推移をみると、以下の特徴が見てとれる(図1)。
1)ハワイより京都開催の時の方が、出席者が多い
2)ハワイおよび京都開催ともに、Technical SessionとShort Courseの出席者が増大している
1)については、京都開催では、日本をはじめ、台湾、韓国、中国など、近隣のアジア諸国から参加しやすいため、ハワイ開催より出席者数が多いと思われる。
また、2)については、VLSIがCircuitとTechnologyのシンポジウムが同時開催されることに起因すると考えている。VLSIには、システム・回路設計者、デバイス・プロセス開発者が集まるのはもちろんのこと、装置メーカーや材料メーカーが情報収集のために相当数参加しているからだ。
以上に加えて、ことし(2019年)のVLSIでは、新たな試みとして初日の日曜日に、Sunday Workshopが開催された(図2)。これも、出席者を増やすのに一役買ったと思われる。つまり、Sunday Workshopに人が集まり、それがShort Courseの出席者を増やし、結果的にTechnical Sessionの出席者も増大したのではないかと考えられる。
本稿では、筆者が出席したSunday Workshop、Short Courseおよび、Technical Sessionの中のTechnology Evening Panel Discussionについて報告する。このPanel Discussionを取り上げるのは、ここで、今後の半導体業界の進む方向性が示された気がするからである。
初日の6月9日(日)の19〜22時に、以下の3つのSunday Workshopが開催された。カッコ内は、VLSI事務局が発表した出席者数である。
VLSIのChairなどは、果たして人が集まるか心配だった模様だが、日曜日の遅い時間にもかかわらず、3つのWorkshop合計で191人の出席者があった。筆者はWorkshop 1に参加したが、選択的原子層デポジション(ALD)やアトミックレイヤーエッチング(ALE)などALPに関する有益な情報が得られた。
なお、Sunday Workshop1については、2018年のVLSI記者会見の席で、筆者が「プロセスの世界ではALDやALEが大ブームになっている。回路やデバイス設計の技術者にもALPを知ってもらって、それを基に新しいデバイスを設計して欲しい」と発言したことが発端となって企画された。筆者の提案を採用して頂いたVLSIのChairなどに感謝したい。
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