ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は、「車載センシングソリューション」に関する記者説明会を開催、LiDAR(ライダー)用センサーなど3製品も同時に発表した。
ON Semiconductor(オン・セミコンダクター)は2019年6月18日、「車載センシングソリューション」に関する記者説明会を、東京都内で開催した。LiDAR(ライダー)用センサーなど3製品も同時に発表した。
ON Semiconductorは、市場が拡大する「オートモーティブ」や「インダストリアル」および、「クラウドパワー」の3分野に経営資源を集中し、市場や顧客の要求に対応する半導体製品の開発に力を入れる。
2018年の全社売上高は約59億米ドル。このうちオートモーティブ事業の売上高は18億米ドルで、全体の約30%を占める主力事業の1つだ。18億米ドルのうち、日本での売上高は約10%を占めるという。マイコンを除く車載半導体サプライヤーとして世界2位のシェアを確保している。車載イメージセンサーや超音波イメージセンサーインタフェースICなど、トップシェアの製品は数多い。「欠陥ゼロ」に向けた同社の取り組みも、顧客から高い評価を受けているという。
同社オートモーティブ事業は、売上高ベースで2014〜2018年の年平均成長率(CAGR)が18%と高い。また、2017〜2022年で高いCAGRを期待しているのが、「電動化」「LED照明」「ADAS(先進運転支援システム)&自動運転」分野に向けた半導体製品である。同社は、事業の拡大に取り組む一方で、「Zero(ゼロ)への道」を積極的に推進している。ADASなどによって交通事故を防止し、死亡者や負傷者をゼロにするという取り組みだ。この活動には「不具合ゼロ」「排ガスゼロ」なども含まれている。
ON Semiconductorのバイスプレジデントでワールドワイドオートモーティブストラテジー&ビジネスデベロップメントを担当するJoseph Notaro氏は、「自動運転のレベル2+電動化を実現するために用いられる半導体製品のコストは、車両1台当たり580米ドルである。これがレベル4+電動化を具現化するためには、搭載する半導体製品コストが1760米ドルに増える」と話す。
同社が強みとする車載用半導体は、パワー半導体やアナログIC、イメージセンサーなどがある。自動運転車両に向けては、イメージセンサー、レーダー、ライダーなど、あらゆるセンサー用デバイスを開発し、提供している。
事業拡大に向けてNotaro氏は、これらの製品群に加えて「十分な供給能力と高い品質が重要」と強調した。GLOBALFOUNDRIESより買収することになった米国ニューヨークの300mm工場を追加することで、「新たに年間22億ドルの売上高を生み出す」という。品質性能に対しても「競合他社に比べて、出荷数量は10倍だが故障発生率は3分の1」と、桁違いに優れている点を強調した。
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