グリーン・ヒルズ・ソフトウェア(GHS:Green Hills Software)は、名古屋オートモーティブワールド2019(ポートメッセなごや/2019年9月18〜20日)で、同社のリアルタイムOS(RTOS)「INTEGRITY」および仮想化技術「Multivisor」などを用いた、パートナー企業のソリューションを紹介した。
グリーン・ヒルズ・ソフトウェア(GHS:Green Hills Software)は、名古屋オートモーティブワールド2019(ポートメッセなごや/2019年9月18〜20日)で、同社のリアルタイムOS(RTOS)「INTEGRITY」および仮想化技術「Multivisor」などを用いた、パートナー企業のソリューションを紹介した。
GHSは、航空宇宙機器や自動車、医療機器など高い安全性(セーフティとセキュリティ)が要求される用途に向けて、RTOSのINTEGRITYや、ソフトウェア統合開発環境「MULTI」などを提供している。
特に、航空宇宙機器と自動車用途を「2本の柱」としており、GHSのアジア太平洋地域担当副社長、Matthew Slager氏は、「INTEGRITYを組み込んだクルマはすでに約2億台が、世界中で走っているか生産ラインに乗っている。また、約3000万台のクルマは仮想化機能付きのINTEGRITYを搭載している。開発途中のものを入れればさらに多くなる」と説明した。同社は2018年4月に拠点を設置するなど、日本でのさらなるビジネス拡大を進めている。Slager氏は、「GHSの日本での製品展開では現在、特に自動車用途での比重が高く、80〜90%を占める最重要注力市場だ」と話していた。
INTEGRITYやMultivisorは、自動車分野向けの機能安全規格であるISO 26262 ASIL Dをはじめとする高い安全規格の認証を取得。システムコストやASIL(安全性要求レベル)認証にかかるコストの低減、開発期間の短縮など可能にしている。
また、同社はISO 26262に関わるような機能のソフトウェアをINTEGRITY上で動作させ、ISO 26262とは関わらない機能はMultivisor上で動作させる構成なども提案。今回の会場では、パートナー企業によるさまざまなソリューションが展示されていた。
まず紹介されたのが、韓国「FUNZIN」の顔認識/ドライバーステータスワーニングシステム「FUSION」のデモだ。
FUSIONは、顔認識をベースとしたディープラーニングによって、運転者を特定のうえ、座席の位置やサイドミラー角度、クラスタのテーマなどを最適化するほか、運転者の目の検出によって、2秒以上目を閉じたときに警告信号を発するという。デモでは、ルネサス エレクトロニクスのR-Car H3上で、Mutlivisorを備えたINTEGRITYを使用。INTEGRITY上でインストルメントクラスタなどを、仮想化Linux上で顔認識システムを動かしていた。
米国「ANSYS」の自動運転開発プラットフォームのデモも展示されていた。こちらは、光源や物体の材質からセンサーまで物理ベースのシミュレーションによって、自動運転車の走行の検証を行うもの。IntelのApollo Lake MRB上で、INTEGRITYとRTGLドライバーを動作させ、ANSYSのモデルベース開発システム「SCADE」で生成した経路計画人工知能(AI)やSafety Gate、そしてインストルメント・クラスタを統合している。説明担当者は「INTEGRITYはもちろん、ANSYSもASIL Dまで開発できるツール認証を受けているため、アプリケーションの開発が容易になる。開発から検証までワンストップで提供できるのが大きな利点だ」と話していた。
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