ソシオネクストは、「ET&IoT Technology 2019」で、AIエッジコンピューティング向け量子化DNN(Deep Neural Network)ソリューションを参考展示した。
ソシオネクストは、組み込みおよびIoT(モノのインターネット)関連技術の総合展示会「ET&IoT Technology 2019」(2019年11月20〜22日、パシフィコ横浜)で、AI(人工知能)エッジコンピューティング向け量子化DNN(Deep Neural Network)ソリューションを参考展示した。
AIエッジコンピューティング向け量子化DNNソリューションは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業として開発しているテーマである。特に、量子化DNNにおける認識率の改善や、エッジ側における機能分担の最適化などを同社が担当し開発している。
今回新たに開発したのがNNA(Neural Network Accelerator)だ。ディープラーニング処理を高速かつ低消費電力で実行する推論処理専用のアクセラレータである。画像認識などのコンピュータビジョン処理では、同社製の従来プロセッサに比べて約100倍の性能を実現したという。競合他社の同等製品に比べても電力当たりの性能は10倍も優れているという。
量子化DNNエンジンは、このNNAに加え、プロセッサ型アクセラレータ「DPA(Data Parallel Accelerator)」や、メモリ帯域を削減しシステム性能を向上させるための「Link Memory」などを集積している。
ブースでは、量子化DNNエンジンをFPGA上に実装したボードを実行環境として用意。8ビットやそれ以下の少ないビット数でパラメータを表現しても、路上で撮影した映像から車両や自転車、歩行者などを高い精度で正しく認識するデモを披露した。
ソシオネクストは、2020年6月までにテストチップを試作し、評価キットとして無償提供(機密保持契約が必要)する予定である。
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