2019年9月30日に都内で開催された「RISC-V Day Tokyo 2019」は、過去2回と比較すると、実際に提供されているソリューションが紹介されるなど、実用に一歩踏み込んだものとなった。本稿では、講演を基に、それらのソリューションを紹介する。
この記事は、2019年11月15日発行の「EE Times Japan×EDN Japan 統合電子版11月号」に掲載している記事を転載したものです。
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いささか旧聞になるが、ことし(2019年)9月30日にRISC-V協会主催による「RISC-V Day Tokyo 2019」が東京都国分寺市にある日立製作所の日立馬場記念ホールで開催された。2017年には東京大学で開催され(関連記事:「「RISC-V」はEmbeddedでマーケットシェアを握れるのか」)、2018年は(筆者はスケジュールの関係で参加できなかったが)慶應義塾大学日吉キャンパスの藤原洋ホールで開催されている。
さて、毎回RISC-V Dayの内容はバラエティに富んでいる。2018年のプログラムを見て頂ければ分かるように、ハードウェアとソフトウェアが入り交じり、そのハードウェアにしても命令セットとIP(Intellectual Property)、開発環境と話題は盛りだくさんであった。それが2019年のプログラムを見て頂くと、確かにいろいろと話題には富んでいるのだが、2018年はまだ「RISC-Vはこんなに面白く、メリットもあるんだよ」と、いわば勧誘的要素が見え隠れしていた感があったのが、ことしはもうRISC-Vを利用することを前提に「こういうソリューションが提供されていています」という、もう少し実用に一歩踏み込んだ感があった。この辺りを順次ご紹介していきたいと思う。
最初にご紹介するのはRISC-V Foundation CEOであるCalista Redmond氏(Photo01)による基調講演からの話題である。
RISC-Vの創業の中心となったのはSiFiveではあるが、現在のRISC-Vは(もちろんSiFiveは重要なメンバーではあるものの)SiFiveとは独立した非営利組織であり、RISC-Vの普及や教育、そしてRISC-Vの仕様策定にかかわるWorking Groupなどを運営する団体である。そのメンバー会員は既に350を超えており(Photo02)、2018年の活動実績は結構大きなもの(Photo03)である。設立して2年そこそこでこの実績は確かに称賛すべきであろう。現状20以上のTask Groupが活動中であり、単に命令セットだけでなく周辺回路とかセキュリティ・機能安全・デバッグなどに関しても積極的に作業が行われている(Photo04)。
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