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5G 人からモノへ 〜「未踏の時代」迎えた無線技術 特集
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» 2020年03月03日 11時30分 公開

MWCで聞きたかった、モバイル業界への7つの質問“普遍的な”5Gスマートフォンの登場は?(3/3 ページ)

[Junko Yoshida,EE Times]
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7.スマートフォンのToF(Time of Flight)センサー

 2019年のMWCでは、折り畳み式の携帯端末が大流行していた。この他にも、近年みられる新たな傾向としては、ベゼル(額縁)レス/ベゼルフリーのスマートフォンが挙げられる。ベゼル部分が少なければ、ディスプレイが大きくなるというメリットがある。

 このような表面的な変化など、誰も気にしないのではないかと思うかもしれない。しかし、気にするべきである。MWCで披露されるさまざまな新世代スマートフォンの新しい形状や、意匠設計、光沢のある物体的特徴などは、特定の半導体チップやコンポーネントに対する新たな需要を引き起こすのだ。

 例えば、スマートフォンシステム開発メーカーは数年前から、ディスプレイの大型化を追求するに当たり、スマートフォン本体の前面にボタンを配置するのをやめ、ディスプレイの底面に指紋認証センサーを埋め込むようになった。一方、Appleは2017年に、Structured Light方式を採用した顔認証用3D(3次元)フロントカメラを開発している。

 MWC 2019が、折り畳み式携帯端末一色だったとするなら、MWC 2020の次世代スマートフォン関連の最新トレンドは、どのようになっていたのだろうか。

Huaweiの新型スマートフォン「Mate Xs」 出典:Huawei

 YoleのPierre Cambou氏は、「スマートフォンに搭載される3Dセンサーの急激な増加傾向は、既に2019年から見られていた。これらの3Dセンサーは、Structured Light方式ではなく、ToF(Time of Flight)カメラをベースとしている。ToFセンサーは通常、Appleが適用したStructured Light方式と比べると複雑性がはるかに低く、直射日光下でも信頼性に優れるうえ、計算処理も少なくて済む」と説明する。

*)編集注:Appleは、Structured Light方式を別の手法で置き換えることを検討中で、それがToFである可能性が高いと報じられている。

 Huaweiは既に、Structured Light方式からToFへの移行段階を超えて、ToFセンサーの配置をフロントカメラからリアカメラに切り替えており、Cambou氏の見解が誤りであることを実証している。

 多くのアナリストたちは当初、「スマートフォンを使ったAR(拡張現実)ゲームや3D測定が次々と登場したように、3Dカメラアプリケーションは、認証やセキュリティの分野で使われるようになるだろう」と予測していた。

 業界では、ToFセンサーでAR/VR(仮想現実)アプリケーションを実現するという果てしない展望を掲げているが、その流れを一変させたのがHuaweiだ。同社は、ToFリアビューカメラによって立体情報を生成し、画像品質を劇的に向上させたのである。例えば、3DカメラでスマートフォンのAI(人工知能)ソフトウェアにデータを送信し、画像の背景の焦点をぼかすことができる機能「bokeh blur」などは、プロのポートレート写真家が好んで使っている。

 スマートフォンメーカー各社がMWC 2020で披露したであろう、新型スマートフォンで実現可能な新しいアプリケーションについては、まだ何も分かっていない。

バルセロナのダウンタウンの壁に貼られたポスター。『新型コロナウイルスがMWCを殺した』というメッセージが伝わってくる

【翻訳:青山麻由子、滝本麻貴、田中留美、編集:EE Times Japan】

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