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Ampereがサーバ向けArmプロセッサを開発、Intelに挑戦Intel出身者が集まる新興企業(1/2 ページ)

新興企業Ampere Computing(以下、Ampere)は、Armベースの80コアプロセッサ「Altra」の出荷を開始したと発表した。“クラウドネイティブ”のプロセッサとして位置付けられる製品だ。

» 2020年03月16日 11時30分 公開
[Brian SantoEE Times]

 新興企業Ampere Computing(以下、Ampere)は、Armベースの80コアプロセッサ「Altra」の出荷を開始したと発表した。“クラウドネイティブ”のプロセッサとして位置付けられる製品だ。このAltraは、通常クラウドで対応する作業負荷を処理することができ、一般的なCPUと比べて消費電力量が大幅に少ないという。

Ampereが発表した「Altra」 画像:Ampere

 つまりAltraは、一般的なx86ベースのプロセッサよりも消費電力が少ないということだ。Intelのデータセンターサーバ向けプロセッサは、力強さと柔軟性を兼ね備えるというその特性により、データセンターサーバ市場において完全な優位性を確立してきた。

 さまざまなプロセッサメーカーがこれまで、データセンターサーバ市場におけるIntelの完全な支配を打ち破るべく挑戦してきたが、その多くはやはりArmベースのソリューションを採用している。Ampereも、これらのメーカーの中の1社だ。Armアーキテクチャの名目上の優位性としては、x86アーキテクチャと比べて電力効率が本質的に高いという点が挙げられる。しかし、こうした取り組みは全て失敗に終わった。Intelは現在も、データセンターサーバ市場において、全体の90%を優に超えるシェアを維持し続けている(残るシェアの大半をAMDが占める)。

経営幹部はIntel出身者が占める

 しかし、もしIntelプロセッサに脆弱性があるとすれば、それを知り得るのはIntelだけだ。Ampereを設立した経営幹部たちが、かつてIntelの著名な内部関係者だったという事実は、偶然の一致ではない。Ampereの創設者でありCEOを務めるRenee James氏は、長年Intelに勤務したベテランであり、2013〜2016年にはIntelのプレジデントを務めた経歴も持つ。また、AmpereのCTO(最高技術責任者)であるAtiq Bajwa氏はかつて、Intelのアーキテクチャ設計部門の責任者だった。Ampereのエンジニアリング担当EVPであるRohit Vidwan氏は、IntelのXeon/Atomプロセッサシリーズの開発に携わった設計者である。

 Ampereは、データセンター市場においてIntelに挑戦するために設立され、Altraプロセッサを開発するという成果を上げた。Ampereは、「Altraは、最大80コアまで拡張可能だ。“業界初”となる80コアのサーバ向けCPUである」と主張する。

 確かに、業界初となる80コアのサーバ向けCPUかもしれないが、80コアCPUとしては業界初ではない。Intelが以前に、80コアチップの開発を試みている他、特にDellやGoogleなどは、96コアCPUを開発している。

 AMDは、128コアを搭載する科学ワークステーション向けバージョンの「Epyc」を開発している。それでもなお、AmpereのAltraには、商用サーバCPU市場で誇るべき点があるという。

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