ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2020年5月29日、2020年12月期第2四半期(2020年4〜6月)の業績予想を発表した。
ルネサス エレクトロニクス(以下、ルネサス)は2020年5月29日、2020年12月期第2四半期(2020年4〜6月)の業績予想を発表した。それによると、同四半期におけるNon-GAAPベースの売上高は1525億〜1605億円で、前四半期比で−14.2〜−10.2%減、前年同期比比で−20.8〜−16.7%減と予測している。売上総利益率は46.5%、営業利益率は14.0%と予想した。
ルネサスは2020年4月27日に2020年12月期第1四半期(2020年1〜3月)の業績を発表したが、第2四半期の業績については、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により見通しが不透明で、予想の合理的な算定が困難なことから「未定」としていた。今回、「現時点において入手可能な情報から、COVID-19による影響を想定し、業績予想の策定が見通しがついた」(ルネサス)ことから、業績予想の発表に至った。
同社によれば、第2四半期の下振れリスクとして懸念していた海外の後工程工場は、現在通常通り稼働していて、これによる同四半期の売上高への影響は生じない見込みだという。特に、マレーシア政府が発令した活動制限令によって「Renesas Semiconductor(Malaysia)」「Renesas Semiconductor KL」「Integrated Device Technology Malaysia」の3拠点で生産が限定的になった時期もあったが、ルネサスは2020年5月11日に、「マレーシアにおける全ての拠点は、当局のもと限定的な稼働を解除し、通常稼働に戻っている」と発表している。
一方で、需要については一部で減少が顕在化していて、その影響は今回発表した業績予想に織り込んでいる。ルネサスの社長兼CEOである柴田英利氏によれば、今回の業績予測における売上高の減少は、ほぼ自動車部門によるものだという。「『R-Car』のようなSoC(System on Chip)やEV(電気自動車)向けのIGBT、世代が新しいマイコンについては、売上高の減少幅が相対的に見れば少ないものの、車載事業については現時点では、まだまだ見通しをしにくいというのが正直なところ。車載製品については第2四半期から第3四半期(7〜9月期)にかけて生産の調整を行っていく」(柴田氏)
自動車以外の需要については「堅調に推移していて、懸念するレベルではない」と柴田氏は述べる。「旧IDTや旧Intersilの製品を含め、データセンターや基地局向けの製品ではネガティブな要因は見つかっておらず、1カ月前(2020年4月末)に比べると、強含みとみちえる」(同氏)
前工程ラインの稼働率(ウエハー投入ベース)については、第1四半期が60%半ばだったが、第2四半期はそれより十数ポイント低下する見込みだという。
なお、2020年12月期第1四半期の業績については、Non-GAAPベースの売上高は1787億円で、前四半期比で6.9%減、前年同期比で19%増だった。営業利益は337億円で、前四半期比で23億円、前年同期比で266億円の増加。当期利益は299億円で、前四半期比で85億円、前年同期比で234億円の増加となった。事業別では、自動車向けが935億円で前四半期比で7.2%減、産業・インフラ・IoT向けは826億円で5.1%減となった。
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