もちろん、Open RAN Policy Coalitionが、Huaweiに対抗する通信インフラ戦線としての「非中国連合」と見なされていることも無関係ではないだろう。
実際、中国の通信関連企業は、オープン化の議論に参加することにほとんど興味を示さず、今のところ実証されていないRANの代替技術ではなく、3GPPの仕様に基づいた技術で進めようとしている。
重要なのは、確かにHuaweiは巨大な企業だが、グローバルなインフラビジネスにおける中国の企業はHuaweiだけではないということである。例えばZTEは、オープンLANインタフェースの仕様開発に全面的に参加していて、O-RAN Allianceのメンバーだ。
O-RAN Allianceには、GreenTech、Inspur、Sunwave、Tongyuなど、あまり知られていないが革新的な中国企業が多数参加している。China MobileやChina Telecomなどの大手携帯電話会社も、もちろん含まれている。
このように、オープン化の議論は、単なる“反中国的”なものだと捉えるのは間違っている。
実際には、皮肉なことに、オープンRANのコンセプトは、HuaweiよりもNokiaとEricssonに、よりネガティブな影響を与えるかもしれない。この2社はHuaweiに比べて、通信インフラ事業への依存度がはるかに高いからだ。
オープンRANの議論が、政治的な争いを背景とした“反Huawei”の議論にすり替えられる危険性があるのは明らかである。
もう一つ追記すべきは、オープンRANが、今後の発展を期待できるトレンドであることは間違いないものの、オープンRANをベースにネットワークを展開しているのは現時点では楽天と米国のDish(こちらは計画段階)だけという点である。ただ、VodafoneやTelefonicaといった世界的なオペレーターは、世界中のさまざまな市場でこのコンセプトを試している。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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