アルゴリズム取引では、遅延が大きくなると「取引コスト分析(TCA)」に悪影響を及ぼすといわれている。Xilinxデータセンターグループでグローバルビジネス開発金融テクノロジー担当のAlastair Richardson氏は、「サブマイクロ秒レベルの遅延を実現すれば、トレーダーは高頻度取引(HFT)で大きなアドバンテージが得られ、損失を最小限に抑えることができる」と話す。
これを可能にするのが、ハードウェアアクセラレーションを利用したXilinxのアルゴリズム取引向けソリューションである。Alveo U50やU250上に、Xilinxのサイトより無料でダウンロードできる「Vitisライブラリー」を実装すれば、高速アルゴリズム取引(AAT)を、迅速かつ低コストで実現することができる。
Vitisライブラリーは、オープンソースでライセンスが不要のモジュール型となっている。サードパーティー製や自社開発のIPを利用することもできる。シカゴマーカンタイル取引所(CME)でのTick-to-Trade用サンプルも活用することが可能だという。
さらにXilinxでは、「アプリストア」を新たに設けた。顧客はsmart world AIビデオ分析やマネーロンダリング防止、ライブビデオトランスコーディングといったアクセラレーションアプリケーションを活用しやすくなる。
なお、Xilinxは2021年3月24〜25日(米国時間)に、バーチャルテクニカルイベント「Xilinx Adapt:データセンター」を開催し、今回発表したアクセラレーションソリューションなどについて詳細に説明する予定である。
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