ルネサス エレクトロニクスは、Armコア搭載32ビットマイコン「RAファミリー」のRA6シリーズとして、その最上位に位置付ける「RA6M5」マイコングループ20品種を発売、量産を始めた。
ルネサス エレクトロニクスは2021年3月、Armコア搭載32ビットマイコン「RAファミリー」のRA6シリーズとして、その最上位に位置付ける「RA6M5」マイコングループ20品種を発売、量産を始めた。
RA6M5は、動作周波数が最大200MHzのArm Cortex-M33コアと、最大2Mバイトのフラッシュメモリ、512kバイトのSRAMを搭載している。Octaメモリインタフェースも備えており、メモリ拡張も容易だという。また、メモリブロックスワップ機能とセキュリティ機能をサポートしており、ファームウェアの更新も安全に行うことができる。
インタフェースとしては、CAN FDをはじめDMA(Direct Memory Access)付きイーサネットコントローラ、USB 2.0フルスピード/ハイスピードおよび、SDHIやSCI、SPI、HDMI-CECといったさまざまなシリアルインタフェースを用意している。これにより、データ転送システムの設計も柔軟に行うことが可能となった。
セキュリティ機能としては、Arm TrustZoneテクノロジーに加え、ルネサス独自の暗号エンジン「Secure Crypto Engine」を搭載した。これにより、「複数の対称・非対称暗号アクセラレーター」「高度な鍵管理」「セキュリティライフサイクル管理」「改ざん検知」および、「サイドチャネル攻撃への強い耐性」など、IoT(モノのインターネット)機器に必須となる高いセキュリティを実現できるという。
この他、RA6M5グループはアクティブモード時の消費電流が107μA/Hzと小さく、スタンバイ状態からわずか30マイクロ秒で動作モードに復帰する。パッケージは100/144/176端子のLQFPと、176端子のBGAを用意している。
RA6M5を用いた機器の開発には、ルネサスが提供するFlexible Software Package(FSP)を活用できる。また、DTSインサイト製のエミュレーター「adviceXross」や、アルファプロジェクト製の小型評価ボード「AP-RA6M-1A」を利用することができる。
さらにルネサスは、RA6M5とアナログICやパワーICなどを組み合わせたソリューション「ウィニング コンビネーション」も順次、用意していく予定である。
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