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» 2021年07月19日 09時30分 公開

ソフトバンク、3本柱の衛星戦略でグローバル展開へ非地上系ネットワーク(NTN)戦略(1/2 ページ)

ソフトバンクがその将来の一部を賭けているのは、日本という国内市場をはるかに超えて顧客の役に立てるような、宇宙から提供されるサービスである。

[Dan Jones,EE Times]

 ソフトバンクがその将来の一部を賭けているのは、日本という国内市場をはるかに超えて顧客の役に立てるような、宇宙から提供されるサービスである。

 ソフトバンクの衛星計画には3つの主な要素がある。1つ目は低帯域幅のIoT(モノのインターネット)サービスを宇宙から提供する静止(GEO)衛星計画、2つ目はGEO衛星よりも低コストのサービスを実現する地球低軌道(LEO)超小型衛星システム、3つ目は十分なサービスを受けていない地域に4G(第4世代移動通信)または5G(第5世代移動通信)のモバイル通信を提供する高高度ドローンである。

 2021年6月、ソフトバンクは、衛星や成層圏のドローンを介してさまざまなサービスを提供する非地上系ネットワーク(NTN)戦略を発表した。同社の広報担当者であるMatthew Nicholson氏によると、この戦略はソフトバンクが掲げる「Beyond Japan」というイニシアチブの一環であるという。

ソフトバンクのNTN戦略の概要 出典:ソフトバンク

 ソフトバンクは、OneWeb、Skylo、同社傘下のHAPSMobileのサービスを用いて、衛星や宇宙に近い成層圏を飛行する無人機を介してさまざまなサービスを提供する計画だ。Nicholson氏は、ソフトバンクが「衛星を用いて世界中でサービスを提供するようになる」と述べている。同社は、自社のNTN関連のラインアップについて、顧客の多様なニーズに応えられるという利点をもたらすとしている。

 世界中の企業、顧客、政府は、OneWebの衛星ベースのサービスを通じて、従来のGEO衛星によるサービスに比べ少ないレイテンシでより高速な通信サービスを享受することができる。

 2021年初め、OneWebはソフトバンクの親会社であるソフトバンクグループからの資金を確保した。以前OneWebは連邦破産法第11章(チャプター・イレブン)に基づく破産保護下にあったが、2020年11月に米国政府とインドのBharti Globalから買収されたことで、難局を切り抜けていた。

 2021年5月、ソフトバンクはOneWebの衛星を利用することで合意した。OneWebのLEO衛星の最新の一団は、2021年5月28日に打ち上げられた。2022年の終わりには、それらの衛星を使って地球全体にサービスを提供できるようにする計画だ。

 また、ソフトバンクグループはIoT衛星の新興企業であるSkyloを支援しており、2020年6月21日には1億300万米ドルのシリーズBの投資ラウンドを主導した。Skyloは、衛星を使って地球上のゲートウェイにつなぐためのNB(Narrow Band)-IoTを提供することを計画している。Skyloは英Inmarsatと連携し、自社の技術をGEO衛星に適用している。また、ソフトバンクグループの支援を受けて、日本をはじめとするアジア市場で足場を固めようとしている。

 Skyloは既にInmarsatと連携して、インドでNB-IoTサービスを運営している。

 ソフトバンクは、SkyloのNB-IoTネットワークを利用して、水産業、鉱業、海運業などの産業に向けてIoT接続性を「従来のGEO衛星サービスよりも手頃な料金で」提供することを狙うとしている。それ以上の詳細は明らかにされていない。

 Northern Sky ResearchのシニアアナリストであるAlan Crisp氏は、SkyloのGEO衛星ベースのNB-IoT戦略をに関して、「SkyLoの戦略は、非常に低い帯域幅のIoTに対してより強力な提案だ」と評価している。「われわれがリサーチしている同市場を狙う多くの小型衛星によるサービスのうち、長期的に生き残るのは、一握りしかいないと考えているが、SkyLoは、数十社の競合と競争してシェアを拡大するのではなく、既存のインフラを利用することでこの問題を回避している」(Crisp氏)

 Crisp氏は、「超狭帯域のソリューションは、高遅延ではあるが、驚くほど多くのアプリケーションに適している。この種のソリューションの最大の買い手は、農業関係者になるだろう。例えば、作物の収穫量や動物の追跡を行う大規模、小規模の農業ビジネスや、John DeereやCaterpillarなどの重機メーカーなどが挙げられる」と続けた。

 「その他の用途としては、輸送や貨物、海上での使用例などがある。漁船のブイ、貨物輸送、レンタカーの追跡、個人の位置情報追跡など、さまざまな用途が考えられるだろう」(Crisp氏)

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