ザインエレクトロニクスは、最大4台のカメラで撮影されたフルHD、毎秒60フレームの動画像を、1チップで受信できる高速インタフェースV-by-One HSの新製品「THCV244A-QP」を開発し、量産を始めた。車載カメラや監視カメラなどの用途に向ける。
ザインエレクトロニクスは2021年8月、最大4台のカメラで撮影されたフルHD、毎秒60フレームの動画像を、1チップで受信できる高速インタフェースV-by-One HSの新製品「THCV244A-QP」を開発し、量産を始めたと発表した。車載カメラや監視カメラなどの用途に向ける。
THCV244A-QPは、最大4レーンのMIPI CSI-2映像信号をV-by-One HS映像信号へ変換するトランスミッターIC「THCV241A」と組み合わせることにより、低電力でノイズ耐性に優れた車載カメラ用チップセットを実現することができる。
車載用途では、カメラで撮影された高画質で高いフレームレートの映像データを画像処理用プロセッサに送信するためのインタフェースとして、MIPI CSI-2が用いられている。ところが、MIPI CSI-2で映像信号を伝送できる距離は、一般的に数十センチといわれている。これに対し、V-by-One HSチップセットを用いれば、伝送距離を15m以上に延ばすことができるという。
また、THCV244A-QPはバーチャルチャネル機能を備えており、複数カメラの映像データを統合して出力できる。このため、ポート数が限られた画像処理用プロセッサでも対応することが可能である。さらに、V-by-One HSチップセットは、システム制御ユニット側からカメラユニットを制御するGPIO信号を、双方向に伝送する機能も備えている。
THCV244A-QPは、4台のカメラを用いた車載サラウンドビューカメラや複数カメラによるADAS(先進運転支援システム)、車載電子ミラー、ドライバーモニタリング機能付ソリューション、ドライブレコーダーなどの用途に提案していく。
車載カメラ以外に、4K映像による2眼パノラマ型監視カメラ、4K360度カメラ、ドローンに搭載する4Kデュアルカメラ、広角と近景の2カメラを搭載した店舗無人端末用カメラといった用途も視野に入れている。
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