村田製作所は2021年10月29日、2022年3月期(2021年度)上期(2021年4〜9月)の決算を発表した。同社の2021年度上期売上高は、前年同期比20.8%増の9081億円、営業利益は同68.9%増の2279億円、純利益は同68%増の1678億円と、増収増益を達成した。
村田製作所は2021年10月29日、2022年3月期(2021年度)上期(2021年4〜9月)の決算を発表した。同社の2021年度上期売上高は、前年同期比20.8%増の9081億円、営業利益は同68.9%増の2221億円、純利益は同68%増の1678億円と、増収増益を達成した。
2021年度上期は、カーエレクトロニクス向けで自動車の生産台数の回復に加え、顧客の今後の生産増加に備えた部品在庫積み増しが継続したことで需要が大きく増加。このほか、5G(第5世代移動通信)スマートフォンの増加による需要拡大やリモートワーク用PC向けの需要が増加したことで、大幅な増収となった。営業利益は生産高増加に伴って生産関連費用が増加したものの、特に操業度益が大きく貢献し、「半期業績として過去最高を更新した」という。
上半期業績を製品別でみると、「コンデンサー分野」は、主力のMLCCが車載分野で部品在庫積み増しが継続したことで大きく増加。また、PCおよび関連機器向けやスマホ向けでも増加し、売上高は前年同期比34.8%増の3917億円となった。
「圧電製品分野」では、表面派フィルターがスマホ向けで大きく増加、IoT(モノのインターネット)向けでも好調で売上高は同25.7%増の763億円となったほか、「その他コンポーネント」でもスマホ、PC向けのインダクター、パワーツール向けのリチウムイオン2次電池が大きく伸び、売上高は同29.8%増の2319億円となった。
一方で「モジュール分野」では、製品ポートフォリオ見直しなどによってスマホ向けでコネクティビティモジュールや高周波モジュールが減少した結果、売上高は同6.3%減の2067億円となった。
受注残高は、2021年9月末時点で5033億円と過去最高を更新したという。なお、顧客の部品在庫積み増しが収束するに伴い、車載、PC関連向けの受注は徐々に減少しており、下期にかけては注残は減少する見込みとしている。
同社は今回、2021年度通期の業績見通しについては期初から上方修正をした前回予想(7月)を据え置いた。2021年度の設備投資額についても前回発表の1700億円から変更なく、設備投資は「ほぼ予定通り進んでいる」としている。
村田製作所会長の村田恒夫氏は、「足元では新型コロナウイルス感染症(COVID-19)変異株の流行に加え、半導体供給不足をはじめとするサプライチェーン上の供給制約とそれに伴う、メーカーの生産制約の長期化が懸念され先行きは不透明な状況にある。自動車などの最終需要そのものは強くサプライチェーンの混乱が解消するにつれて、将来的には部品需要も回復することを想定している」と語っていた。
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