村田製作所は2021年10月14〜15日、オンラインで説明会を行い、オンライン展示会「CEATEC 2021 ONLINE」(2021年10月19〜22日)に出展する製品について説明した。同社は、今回、2方向への電波放射が可能なミリ波5G(第5世代移動通信)小型アンテナモジュール「LBKAシリーズ」を初展示する。
村田製作所は2021年10月14〜15日、オンラインで説明会を行い、オンライン展示会「CEATEC 2021 ONLINE」(2021年10月19〜22日)に出展する製品について説明した。同社は、今回、2方向への電波放射が可能なミリ波5G(第5世代移動通信)小型アンテナモジュール「LBKAシリーズ」を初展示する。
ミリ波周波数は、空間での伝搬損失が波長が短いため、複数のアンテナ素子を用いたアレイアンテナ構造によって、通信距離を伸ばすといった対応をしているのが一般的だ。一方で、同構造によって通信できる角度範囲は狭くなってしまうため、5Gスマートフォンなどでは広いカバレッジ実現のため、通常複数のモジュールを配置しているという。
同社の説明担当者は、「モジュールが複数必要になればそれだけコスト増となり、また、ケーブルや配線のスペースも必要になるという課題があった」と説明。今回のLBKAシリーズが、そうした課題の解決につながる製品だとして紹介した。
LBKAシリーズは、同社として初めて商品化したミリ波用のアンテナモジュールで、最大の特長は、その形状だ。ミリ波アンテナモジュールは平面上にアンテナ素子を並べたものが一般的だが、同社は独自の樹脂多層基板「メトロサーク」によってL字形状を実現。1×4構成のアレイアンテナ2組をL字形状の基板の各面に搭載している。
これによって、1つのRFICで角度が90度異なる2方向への電波放射を実現し、「端末内の省スペース化や低コスト化、ミリ波通信性能の安定化に貢献する」としている。
また、メトロサークの特長からアンテナの広帯域化や高いゲイン性能を実現した他、端末内部のデッドスペースを極力なくし、アンテナの面積を最大限に確保。「高周波性能と小型薄型を両立し、端末自体の薄型化に貢献する」としている。
LBKAシリーズはサイズは幅22.5mm×奥行5.69mm×高さ4.75mm、対応周波数帯はn261/n258/n257(24.25G〜29.5GHz)およびn260(37G〜40GHz)。既に量産を開始しており、2021年後半に市場投入されるスマホに搭載予定だという。
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