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アドバンテストが最新製品を一挙に紹介SEMICON Japan 2021 Hybrid(2/2 ページ)

» 2021年12月21日 13時30分 公開
[村尾麻悠子EE Times Japan]
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PCIeやUSB経由で高速スキャンが可能に

 V93000用のデジタルカード「Link Scale」は2021年11月に発表された製品だ(関連記事:「アドバンテスト、V93000用デジタルカードを発表」)。Link Scaleをテストヘッドに実装することで、USBあるいはPCIe(PCI Express)経由で高速スキャンテストやソフトウェアベースのファンクションテストが可能になる。

 ソフトウェアベースのファンクションテストは、SoCのCPUコア間の通信にも対応するもの。SoCに搭載されているコア同士が動作するファームウェアをSoCに組み込み、それをホストインタフェースを介して駆動することで、テストを行う仕組みだ。なお、このファームウェアを駆動する回路は、EDAで設計を行う段階で組み込む必要がある。そのためアドバンテストは、EDAツールベンダーとも協業を進めている。

ソフトウェアベースのファンクションテストの概念図[クリックで拡大] 出所:アドバンテスト

 アドバンテストの営業本部 Marketing and Business Development統括部 SoC Marketing and Business Development部の高倉徳雄氏は、「CPUコアが増えてSoCの規模が大きくなると、コア間の通信のパターンが増加し、テストが複雑になってしまう。そのため、パッケージやオンボード上でシステムレベルテストを行うしかないのが現状だが、より上流(パッケージ化の前)の段階でファンクションテストをしたいという要望が強かった」と説明した。

会場で展示した「Link Scale」

1億画素以上のCISを見据えたテストモジュール

 CIS向けのテストソリューションは、SoC向けテストシステム「T2000」のテストモジュールで、製品名は「4.8GICAP(4.8ギガアイキャップ)」。モジュール1枚で4個のCISを測定でき、T2000のシステム全体としては最大64個のCISを、ウエハー状態で同時に測定できる。スマートフォンのカメラは、以前は400万画素、800万画素だったが、最近は1億画素を超える機種も登場している。4.8GICAPは、そうした高画素のCISに対応するテストモジュールだ(関連記事:「64個のCISを同時測定、アドバンテストの最新テスト装置」)

「T2000」は、IoT(モノのインターネット)向けからRF、CMOSイメージセンサー、ADAS(先進運転支援システム)などの高速アプリケーションまで、幅広くカバーするモジュールがそろっている[クリックで拡大] 出所:アドバンテスト

 さらに、同モジュールがCISから取り出した大量の出力データを高速に処理するプロセッサを刷新、「IP Engine 4」として発表した。IP Engine 4は、前世代の「IP Engine 3」に比べて10倍の処理能力を備え、1億画素以上のCISへの対応を可能にする。アドバンテストのT2000事業本部 ADTプロダクトユニット ADT開発部 ISD開発課でFunctional Managerを務める高橋聡一氏は「高速化のために新たなグラフィックアクセラレーターを搭載した。同アクセラレーターに合わせて新たに開発した画像処理専用のソフトウェアライブラリも併せて提供する。これによってテスト時間を大幅に短縮できる」と説明する。

「4.8GICAP」も会場で展示されていた

 「4.8GICAPやIP Engine 4は、1億画素を超えるCISや、ADAS(先進運転支援システム)などの車載アプリケーションも見据えて開発した製品だ」(高橋氏)

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