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» 2022年01月07日 10時30分 公開

中国のロックダウン、DRAM供給停止を招く恐れもSamsung、Micronが生産を減速

Samsung Electronics(以下、Samsung)とMicron Technology(以下、Micron)が、中国西安市に保有するメモリチップ工場の生産を減速させている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大を受け、人口1200万都市である西安が2021年12月23日、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったためだ。

[Alan Patterson,EE Times]

 Samsung Electronics(以下、Samsung)とMicron Technology(以下、Micron)が、中国西安市に保有するメモリチップ工場の生産を減速させている。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大を受け、人口1200万都市である西安が2021年12月23日、ロックダウン(都市封鎖)に踏み切ったためだ。

より厳しい制限追加されれば、「影響の軽減は困難」

 Samsungは自社のWebサイト上で、「現在のCOVID-19感染状況を鑑み、西安の当社製造施設の稼働を一時的に調整するという決断に至った」とする、3文から成る短い声明を発表した。

 また、MicronもWebサイト上で、「西安のロックダウンにより、Micron西安工場のチームメンバーや請負業者などの人員が不足しているため、DRAM組立工場の生産水準にも、ある程度の影響が及んでいる」と述べている。

 Micronによると、同社は不足分を補うために請負業者のサプライチェーンを稼働させていることから、短期的に製品出荷の遅延が生じる可能性があるという。また、同社は声明の中で、「より厳しい制限が追加され、西安工場の稼働に影響が及ぶことになれば、それを軽減するのはますます困難になるだろう」と付け加えている。

 西安のロックダウンは、世界半導体サプライチェーンの妨げとなる最も新しい要素の1つだ。パンデミックによって発生した2021年の半導体不足は、米国テキサス州オースティンで同年2月に停電が発生したことによってさらに悪化した。オースティンには、SamsungやNXP Semiconductors、Infineon Technologiesなどの半導体工場があるためだ。また、同年3月19日にルネサス エレクトロニクスの那珂工場で火災が発生し、車載用半導体チップの供給が停止するという事態に陥った。

 中国は、新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、ロックダウンを含めた「ゼロトレランス方式」を採用している。西安では、新型コロナウイルス感染陽性者数が1000人を超えたために、ロックダウンが実行された。

世界NANDフラッシュ生産量の約15%を占める西安

 米国の市場調査会社Objective AnalysisのJim Handy氏は、「西安は、世界NANDフラッシュ生産量全体の約15%を占める。この数値は、Samsungの製品構成に関する予測をベースとしたものであるが、同社は詳細を明らかにしていない。またMicronについては、同様の予測値をまだ把握できていない」と述べている。

 「NANDフラッシュは、スマートフォンやSSD、USBフラッシュドライブ、フラッシュカードなどに搭載されている。このため、フラッシュアプリケーションは全て、生産量の減少による影響を同じように受けることになるだろう」(Handy氏)

 また、同氏は、「今のところ、影響は軽微のようだ。これらの工場の生産量が確実かつ大幅に減少するという予測につながるような情報は、まだ耳にしていない。状況がさらに深刻化しない限り、これまで通りの生産水準が維持されるのではないだろうか」と述べた。

価格急騰の可能性

 深刻な生産不足により、価格が急騰する可能性がある。このようなシナリオは、2017年にNANDフラッシュで、2018年にはDRAMで、それぞれ発生している。この時は、貿易戦争への懸念から、中国の半導体調達企業がパニック状態に陥り、在庫を増加させたことが原因だった。

 例えば、DRAMのスポット価格は13カ月で1Gバイト当たり2.62米ドルから6.38米ドル、つまり2.4倍も急騰したという。NANDの価格は2017年初頭に1Gバイト当たり0.21米ドルから0.31米ドルと、50%も跳ね上がった。

 Handy氏によると、Samsungはキャンパス全体が閉鎖されるリスクを減らすため、西安のキャンパスを区分化した可能性が高いという。同氏は、「同じキャンパス内であっても、あるセクションの従業員は隣接するエリアへの訪問を制限される可能性がある」と付け加えた。

 アジアの大規模なチップ工場には、通常、従業員用の住宅がある。Handy氏は、「西安市政府はおそらく、寮にいる従業員がキャンパス外の人と交流しない限り、通常の業務を続けることを許可している。労働力削減を抑える一方で、従業員の食堂に届けられる食料などの消耗品やその他の必需品の入手という問題が残っている」と述べた。

【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】

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