SEMIは、世界の半導体前工程装置(ファブ装置)投資額が3年連続成長し、2022年は過去最高額を更新するとの予測を発表した。2022年の投資額は2021年に比べ10%増加し、980億米ドルを超える見通しである。
SEMIは2022年1月11日(米国時間)、世界の半導体前工程装置(ファブ装置)投資額が3年連続成長し、2022年は過去最高額を更新するとの予測を発表した。2022年の投資額は2021年に比べ10%増加し、980億米ドルを超える見通しである。
ファブ装置への投資額は、2020年に前年比で17%増加し、2021年も39%増加するなど、連続して成長した。3年連続で成長するのは2016〜2018年以来となる。それ以前だと1990年代中期までさかのぼるという。SEMIのプレジデント兼CEOを務めるAjit Manoch氏は、「半導体製造装置産業は、過去7年間のうちで6年がプラス成長するという、過去にない成長期を続けている」と述べた。
2022年のファブ装置投資額を分野別にみると、「ファウンドリ」向けが前年に比べ13%増加し、投資額全体の46%を占める。「メモリ」向けは微減となるが、全体の構成比率では37%と高い。メモリのうち、DRAM向けは減少するが、3D NAND向けは増加傾向と予測する。
「マイクロコントローラ」(MPU含む)への投資額は、2022年に47%増と大幅な伸びを見込む。同様に「パワー関連デバイス」への投資も33%増と予測した。
2022年の投資額を地域別に予測すると、韓国が首位で台湾、中国と続く。この3地域で投資額全体の73%を占める。台湾と韓国で前年比14%程度の増加が見込まれている。これに対し、中国は20%の減少と予測した。この他、欧州/中東は145%という高い成長を見込み、日本でも29%の成長率を予測している。
SEMIは今回、最新のWorld Fab Forecastレポートに基づき発表した。同レポートによれば、2021年は中国と日本を中心に、27のファブ/ラインが装置を調達した。2022年は台湾、韓国、中国を中心に、25のファブ/ラインが装置を調達する計画である。
なお、同レポートには、世界1422のファブ/ラインに関するデータが収録されている。この中には、2021年以降に量産を開始する138ファブ/ラインの計画が含まれているという。
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