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» 2022年04月27日 09時30分 公開

6Gも見据えたハイエンド変調信号源、キーサイト高い信号品質と最大110GHzに対応(1/2 ページ)

キーサイト・テクノロジーは2022年4月27日、汎用のシグナルジェネレーター「M9484C VXG」を発表した。2019年2月に発表した「M9384B VXG」の後継機種で、変調信号源としては最上位機種となる。

[村尾麻悠子,EE Times Japan]

 キーサイト・テクノロジーは2022年4月27日、汎用のシグナルジェネレーター「M9484C VXG」を発表した。2019年2月に発表した「M9384B VXG」の後継機種で、変調信号源としては最上位機種となる。モバイル機器や基地局/受信機、衛星通信など、広帯域幅で高周波数、より複雑な変調、マルチアンテナ技術を必要とするアプリケーションを主なターゲット分野とする。

「M9484C VXG」の外観[クリックで拡大] 出所:キーサイト・テクノロジー

 M9484C VXGでは、Beyond 5G/6G(第5世代/第6世代移動通信)などを見据えた現在および将来の顧客ニーズへの対応、信頼性の高い信号、Time to Marketの加速という3つを狙う。そのために、新しいDSPエンジンやDDS(Direct Digital Synthesis)アップコンバージョンを採用するなどアーキテクチャを刷新した。

エクステンダー使用で最大110GHzまで対応

 現在および将来の顧客ニーズへの対応としては、マルチチャンネル構成、高周波、広帯域幅が挙げられる。RFチャンネルが1個、2個、4個のモデルを用意していて、それらを組み合わせて同期させることで、MIMOアプリケーションで使用するような多チャンネル構成も実現できる。周波数は1チャンネル/2チャンネルのモデルが6G〜54GHzの範囲で、4チャンネルのモデルは6G〜20GHzの範囲でそろえていて、1チャンネル/2チャンネル品は周波数エクステンダー「V3080A Vector SG」を使用することで最大110GHzまでサポートできる。

M9484C VXGのチャンネル数と、サポートする周波数帯域[クリックで拡大] 出所:キーサイト・テクノロジー

 変調帯域幅は、1チャンネル当たり最大2.5GHzを実現。全周波数範囲、全電力範囲において振幅と位相を工場で校正しているので、ユーザーによるキャリブレーションは不要になる。また、1台当たり最大10GHz(2.5GHz×4チャンネル)の帯域内および帯域間アグリゲーションに対応している。アグリゲーションの他、2つのRFチャンネルを1つのRF出力として結合させて、最大5GHz(2.5GHz×2チャンネル)の変調帯域幅を実現するチャンネルボンディングも可能だ。「主に6Gの研究開発や、DPD(Digital Pre-Distortion)のアプリケーションなどで、広帯域幅への要求がある」(キーサイト)

デジタルアップコンバージョンで信号歪みを解消

 M9484C VXGでは信号純度の向上と高い出力電力を実現している。例えば、変調信号の生成において従来のアナログIQ変調器ではなく、DDSを使ったデジタルアップコンバージョンにより、イメージなどによる信号の歪みを低減した。「IQ変調器を使うと、IQ変調器の物理的な不完全性により、どうしても信号歪みが発生してしまう。従来は、その信号歪みをソフトウェアでできる限り抑えていた。M9484C VXGでは、DDSを使って、IQ変調を含む処理をデジタルで行うことで、IQ変調器による不完全性を除外でき、きれいな信号を生成することができる」(キーサイト)

DDSを使ったデジタルアップコンバージョンにより、信号の歪みを低減したきれいな信号が得られる(図版右)[クリックで拡大] 出所:キーサイト・テクノロジー

 M9484C VXGでは新しいDSPエンジンにより、1チャンネルごとに8種類のバーチャル信号を生成できる。5G NR(New Radio)、LTE、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)など、最大8つの信号を同時にエミュレートすることが可能だ。「これを従来のRF信号発生器で実現しようとすると、1台につき1種類の信号を生成し、それらの生成器をコンバイナーで接続するという大掛かりな構成になってしまう。M9484C VXGならば1台で実現できる」(キーサイト)

8つのバーチャル信号を生成している様子。図の左半分がM9484C VXGの画面で、右半分は、M9484C VXGにケーブルで接続したスペクトラムアナライザの画面。キャリア周波数は2GHz、全体のパワーは−5dBmという設定で、GSM、W-CDMA、LTE、5G(帯域幅が異なるもの3種類)、Wi-Fiの波形を生成している。それぞれの信号のオフセット周波数や波形は、画面上で任意に変更でき、リアルタイムでスペアナに反映される[クリックで拡大] 出所:キーサイト・テクノロジー
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