メディア

2022年内にGaN-on-GaNデバイスを市場投入、NexGen車載向け耐圧1200Vデバイスも(2/2 ページ)

» 2022年05月24日 09時30分 公開
[永山準EE Times Japan]
前のページへ 1|2       

まずは240W AC-DCアダプターで市場投入

 同社は、Vertical GaNのほか1MHz以上の高周波スイッチングで動作するデジタルパワートレインコントローラー「merlin power engine」および平面型トランス「plannar magnetics」を開発。これらの技術を用いた240W AC-DCアダプターは、94%の効率と、20W/in3の電力密度を実現。現在市場に出回るシリコンベースの製品と比較し重量は45%、サイズは61%削減できるとしている。

Vertical GaN搭載の240W AC-DCアダプターとその内部[クリックで拡大]出所:NexGen Power Systems

 同AC-DCアダプターは台湾MSI製ゲーミングノートPCに採用され、2022年第4四半期から出荷される予定だという。さらに、車載市場に向けても、今後DC-DCコンバーターやオンボードチャージャー向けに耐圧1200Vの出荷を予定、Ramanathan氏は「数年後には、車載用インバーター向けの製品も検討している」としている。

 また、同氏は「われわれのシステムの大きな特長はスケーラブルであることで、データセンター向けなどにも対応することを前提に設計している」とも付け加えた。

「コスト面の課題も解決」

 縦型GaNデバイスの製造は従来、コスト面などが課題とされてきたが、Ramanathan氏は、「現在、4インチウエハーを用いているが、ダイサイズは非常に小さく、ウエハー1枚当たり2万個のデバイスが並んでいることになる。そのため、コストはそれほど高くはない」と説明。また、「われわれは、GaN-on-GaNデバイス開発に長く取り組んでおり、最新の設備と優れた工程管理、優れた技術者を有している」と語り、歩留まりも約70%を実現していると明かした。

左=GaN-on-GaNデバイスの4インチウエハー。なお、ウエハーは日本産だという/右=Vertical GaN搭載のLEDドライバー(右)も、既存製品と比較する形で展示していた。[クリックで拡大]出所:NexGen Power Systems

 また、同社は米国ニューヨーク州に延べ6万6000平方フィート(約6131m2)の工場(クリーンルームは2万平方フィート[約1858m2])を有しているが、「われわれの工場は8インチウエハー対応の工場であり、8インチまでのスケーリングも容易だ。自動車業界ではより大きなダイの要求があるため、数年先には6インチウエハーにも移行するだろう」と語っていた。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

RSSフィード

公式SNS

All material on this site Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
This site contains articles under license from AspenCore LLC.