ISS Europe 2022のちょうど2週間前に、imecがベルギーのアントワープで開催された「Future Summits 2022」(2022年5月17〜18日)では、欧州委員会のプレジデントを務めるUrsula von der Leyen氏が、約2000人の満場の聴衆に向けてビデオ公演を行い、同法に対する熱意を繰り返し語った。同氏は、詳細は多く語らずに、「半導体は科学革命を解き放った。半導体の必要性が高まるとともに、世界は半導体不足に直面している。そのため、European Chips Actの下、欧州の半導体生産を増やすことを目指す必要がある。現在、欧州の半導体生産量は世界全体のわずか8%だが、2030年までにこの数字を30%まで引き上げたい」と述べた。
同法には、欧州の半導体研究の強みを構築し、現状と目標の間にある大きな差を埋め、サプライチェーンにおけるグローバルパートナーシップを拡大するための取り組みが含まれている。Leyen氏は、「欧州は半導体研究の世界的拠点である。われわれは欧州のパイオニア精神と才能に投資していく。European Chips Actによって、欧州にまだ存在しない世界初の生産施設に公的資金を投入できるようになる」と述べている。
IntelのCEO(最高経営責任者)を務めるPat Gelsinger氏は、Future Summitsの聴衆に向けて米国からライブビデオで講演し、Intelが欧州に対して実施してきたコミットメントについて語った。
同氏は、「サプライチェーンの不足によって、われわれはサプライチェーンがいかに脆弱であるかを思い知らされた。こうした重要な技術の供給に関して、影響力だけに依存することはできない。そこで、Intelは、半導体における欧州の未来を形作るための支援に取り組んでいる。サプライチェーン全体で約800億米ドルを投資する計画だ」と語った。Intelは、同社が投資しているドイツの地域を「シリコンジャンクション」と呼んでいるという。同氏は、欧州に必要なのは主権ではなく、サプライチェーンの回復力であると強調した。
【翻訳:滝本麻貴、編集:EE Times Japan】
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