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» 2022年07月05日 13時30分 公開

複数機能の統合を実現する車載リアルタイムプロセッサembedded world 2022(1/2 ページ)

NXP semiconductors(以下、NXP)は、ドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2022」(2022年6月21〜23日において、車載用リアルタイムプロセッサや産業/IoT(モノのインターネット)エッジ機器向けMCUの新製品に関するデモを展示した。

[永山準,EE Times Japan]

 NXP semiconductors(以下、NXP)は、ドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2022」(2022年6月21〜23日において、車載用リアルタイムプロセッサや産業/IoT(モノのインターネット)エッジ機器向けMCUの新製品に関するデモを展示した。

アプリケーションを1つずつ強力に分離

 展示していたのは、同社が2022年6月21日に発表した新しい車載用リアルタイムプロセッサ「S32Eファミリー」および「S32Zファミリー」のデモだ。

S32Eを搭載した開発プラットフォーム「GreenBox 3」によるデモの様子[クリックで拡大]

 両ファミリーは、次世代E/E(電気/電子)アーキテクチャのドメインおよびゾーンで要求が高まるリアルタイム制御向けの製品。最大1GHzで動作するスプリットロック機能を備えたArm Cortex-R52プロセッサコアを8個、ロックステップ動作のArm Cortex-M33プロセッサコアを2個搭載。また、これによりCortex-R52コアの1つに問題が生じても、それを検知して動作を停止させ、別のコアを用いて処理を継続させることができるという。

 その大きな特長は、「アプリケーションを1つずつ強力に分離する能力だ」(説明員)。両ファミリーは、コアから端子までのハードウェア仮想化により、複数の分離されたバーチャルマシン(VM)をサポートするほか、ハードウェアを分離したマルチテナント化により、干渉を回避可能。これにより、ドメインコントローラーとバッテリー監視用ECUの統合など、複数ECUの統合を容易に実現できるとしている。両ファミリーは組み込みシステムにおける革新的な製品を表彰する「embedded award 2022」のハードウェア部門を受賞した。

 ブースでは、S32Eを搭載した開発プラットフォーム「GreenBox 3」および車載統合プラットフォームソフトウェア「GreenVIP」を用いたデモを展示していた。デモでは、8つのコアが航続距離の最適化や熱モニタリング、バッテリーマネジメントシステム(BMS)、シャシー制御など、それぞれ異なるEVのアプリケーションを実行しており、コアのうち1つで障害が発生した場合に即座に検知して分離、ハイパーバイザーを介し仮想化し実行していることから、その他のアプリケーションは全て通常通り動作する、という様子が確認できた。

コア2に障害が発生したが、監視/分離することでその他の機能は正常に動作を続けている[クリックで拡大]

 また、搭載するDSP/ML(機械学習)プロセッサにBMSや熱モニタリング、シャシー制御などの負荷を移動させることで3つのメインコアのワークロードを軽減、他アプリケーションへの利用が可能になるといった使い方もできるという。

DSP/ML(機械学習)プロセッサにBMSや熱モニタリング、シャシー制御の負荷を移動させている(画面左中央)[クリックで拡大]

 説明員は、「16nm FinFETプロセス技術を用い、8コアで、最大1GHz動作するというリアルタイムプロセッサとしては驚異的な性能を他社に先駆けて実現した。今後は5nmプロセス採用も計画しており、この技術をさらに押し進めていく」と話していた。

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