下図は新機能を含めたX280の概要だ。X280は8段のパイプラインを持ち、インオーダー構成で2命令の同時進行が可能な64ビットプロセッサで、仮想メモリをサポートし、Linuxも動作可能。512ビットのベクトルレジスタ長アーキテクチャを実装し、ベクトル拡張をフルサポートしている。今回、最新バージョンで新たに追加/強化した主な機能は、「VCIX(Vector Coprocessor Interface eXtension)」「マルチコア、マルチクラスタ」「WorldGuard対応」の3つだ。
まず「VCIX」は、顧客がベクトルレジスタファイルに直接アクセスできるようにする、ベクトル命令マッピングインタフェースだ。
Barbier氏は、X280に対する顧客からの要望について「RISC-Vとエコシステム、X280のプログラマビリティおよびベクトル拡張を活用し、独自のカスタムアクセラレーターを強化したい、というものだった」と説明。今回VCIXによって、X280のベクトルALU(Arithmetic and Logic Unit)と顧客のカスタムアクセラレーターを直接接続したことで、「プロセッサコアからアクセラレーターまで、ベクトルレジスタを用いてデータを移動することが可能となり、より効率的かつ高パフォーマンスを実現した」(同氏)としている。
また、メインシステムバス上のデータトラフィックも減ることから、低消費電力化なども実現する。さらにBarbier氏は、「VCIXは非常に使いやすく、命令ストリームに直接マッピングされているため、顧客はメインメモリインタフェースを介してデータをやりとりする必要がなく、RISC-Vコアから直接アクセラレーターをプログラム可能だ」とも説明していた。このほか、主要なプロセッサリソースを共有できることから、顧客のアクセラレーター開発時に必要な設計とテストの労力の削減にもつながるとしている。
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