TrueSenseは、PreActの他の2製品「TrueDrive」と「TrueSim」と連動して機能し、顧客に完全な物体追跡ソリューションを提供する。TrueSenseが“心臓”なら、TrueDriveは近距離物体を検知/追跡するソリューションの“脳”といえる。TrueDriveは、1個以上のTrueSenseが取得したセンサーデータを、物体の迅速な定義、追跡に用いられる統合された3Dポイントクラウドに変換する。TrueDrive1個につき、最大4個のTrueSenseユニットを接続/同期することができ、異なるコンフィギュレーションを実現できる(図2参照)。このデバイスは、物体の定義と追跡、衝突検出、容積測定などを素早く実施するために、並列処理とターゲットとなるAI(人工知能)を採用したハイパーECUを統合している。
図2:TrueDriveをセントラルプロセッサとし、TrueSense、TrueSimと連動して機能させることで完全な物体追跡ソリューションを提供する[クリックで拡大] 出所:PreAct TechnologiesTrueSimは、PreActのセンサーとアルゴリズムを正確にモデル化する、物理学ベースの自動車シミュレーターだ。これによりPreActは、高再現度の仮想環境内で顧客のプラットフォーム上のセンサーをシミュレートすることができる。TrueSimは、車両、歩行者、自転車、交通標識、地図などの大規模なライブラリとともに提供される。カスタムオブジェクトを定義し、ライブラリに追加することも可能だ。TrueSimは、正確な光学モデル(回帰反射板のシミュレーションなど)を提供することで、迅速なアルゴリズムプロトタイピングを可能にし、カスタムアプリケーションでセンサーが機能することを保証する。
Drysch氏は、「現実的な環境でLiDARの性能をエミュレートする独自の社内シミュレーションツールがあれば、顧客の要件を満たす能力を評価でき、並行して、そのLiDARに接続する認識ソフトウェアの作成が開始できる」と述べている。
PreActのソフトウェア定義可能なLiDARは、その高い精度から、ロボット工学やファクトリーオートメーションにも適している。これらのアプリケーションでは、1つまたは複数のTrueSenseユニットが既存のセンサーを置き換えることができ、統合が簡素化され、全体的なコストが削減される。
【翻訳:滝本麻貴、青山麻由子、編集:EE Times Japan】
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