ルネサス エレクトロニクスは、32ビットRISC-Vコアを搭載したASSP「R9A02G020」を開発、量産を始めた。家電製品やビルディングオートメーション、医療機器、ドローンなどのモーター制御用途に向ける。
ルネサス エレクトロニクスは2022年9月、32ビットRISC-Vコアを搭載したASSP「R9A02G020」を開発、量産を始めた。家電製品やビルディングオートメーション、医療機器、ドローンなどのモーター制御用途に向ける。
ルネサスは既に、RISC-V CPUコアを採用した64ビット汎用MPU「RZ/Five」や、車載向け製品を開発するなど、RISC-Vコアを搭載した製品のラインアップに取り組んでいる。新製品もその一環として開発した。システム開発/動作検証を支援する開発ツールや評価用ボード、アプリケーションソフトウェアなども用意している。
今回開発したR9A02G020は、Andes TechnologyのRISC-Vコアを搭載した。エントリーレベルの32ビットCPUコアで、動作周波数は32MHzである。また、3つの専用プログラマブルゲインアンプ(PGA)とサンプル&ホールド回路を備えた12ビットA-Dコンバーターや、D-Aコンバーター2チャンネル、高速コンパレーター2チャンネルおよび、モーター制御用タイマーなどを集積した。メモリは48Kバイトのフラッシュメモリと、16Kバイト(ECC保護付き4Kバイト)のSRAMを内蔵している。パッケージは24端子または32端子のQFNで供給する。周囲温度範囲は−40〜125℃である。
R9A02G020用のアプリケーションソフトウェアは、モーター制御分野で強みを持つBFG EngineeringとDigiPowerの2社が開発した専用のアプリケーションコードを用い、工場出荷時にあらかじめプログラムされている。BFGはセンサーレスアルゴリズムに強く、ユーザーはモーターの起動時間を短縮できるという。DigiPowerは、冷蔵庫のコンプレッサーやファン、ポンプなどを制御するためのソリューションを設計している。この他、SEGGERはRISC-Vに対応した「Embedded Studio」や「JLink」などを提供することになっている。
ルネサスでも新製品の発売に合わせ、「RISC-VコアASSPによる三相モーター制御ソリューション」のウィニング・コンビネーションソリューションを用意した。これを活用することで、応用機器の開発、動作検証を効率よく行え、市場投入までの期間を短縮することができるという。
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