electronicaのブースでは、「持続可能な未来に向けた技術」として産業オートメーションや自動車、ヘルスケア、民生および通信の各分野で最新技術を用いたデモを展示していた。産業分野で目を引いたのは、3D深度検出および視覚システム向けの高分解能iToF(indirect Time to Flight)モジュール「ADTF3175」を用い、段ボール箱のサイズを迅速かつ正確に自動で測定するデモだ。
ADTF3175はADIが2022年6月に発表した新製品で、100万画素という高解像度が大きな特長。最大4m離れた対象物が検出でき、測定誤差は±3mmと高い精度を実現している。同社によると、100万画素のiToFモジュールの量産は業界初だという。
ADTF3175は、100万画素のCMOS iToFイメージセンサー「ADSD3100」をベースに、発振波長940nmの赤外VCSEL(垂直共振器面発光レーザー)およびレーザードライバー、光学レンズや光学フィルター、キャリブレーションおよびファームウェア保存用のフラッシュメモリ、ローカル電源を生成するための電圧レギュレーターなどを統合。測定した生画像データは4レーンのMIPI CSI-2信号で出力し、外付けのホストシステムプロセッサまたは深度イメージシグナルプロセッサ(ISP)で処理する。また、長距離および短距離用に最適化された数種類の動作モードがあらかじめプログラムされており、迅速な導入に貢献するとしている。
デモでは物流現場での活用を想定、ADTF3175を搭載した計測用デバイスで荷物のサイズを高速かつ正確に計測する様子を実演、荷物を運ぶトラックの容量の計算などに役立てることができるとしている。
ADTF3175のサイズは42mm×31mm×15.1mmで、動作温度範囲は−20℃〜+65℃。2022年12月中の量産を予定している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.