ロームは、中・大型車載ディスプレイの液晶バックライト向けに、DC調光とPWM調光の機能を搭載したLEDドライバーICを開発、量産を始めた。従来製品に比べICの消費電力を約20%削減しているという。
ロームは2023年1月、中・大型車載ディスプレイの液晶バックライト向けに、DC調光とPWM調光の機能を搭載したLEDドライバーICを開発、量産を始めた。従来製品に比べICの消費電力を約20%削減しているという。
新製品は、中型車載ディスプレイ向けに出力4チャネルのLEDドライバーIC「BD83A04EFV-M」と「BD83A14EFV-M」を、大型車載ディスプレイ向けに出力6チャネルのLEDドライバーIC「BD82A26MUF-M」を、それぞれ用意した。これとは別に、出力4チャネル製品で小型パッケージ(外形寸法は4.0×4.0×1.0mm)を採用した「BD83A14MUF-M」も開発中で、2023年2月より量産の予定である。
新製品は、独自の低消費電力化技術によってLEDドライバーの電流制御回路における損失を削減した。ICの電力消費を抑えることで、車載ディスプレイの低消費電力化を可能にした。また、調光方法として「DC調光」と「PWM調光」の2種類を搭載、幅広い設計仕様に対応することができるという。
なお、PWM調光方式では、独自のシームレスPWM調光を採用。低輝度から高輝度まで電流帰還モードの切り替えが発生しないため、「ちらつき」の発生リスクを低減することが可能である。
4チャネル品の主な仕様は、入力電圧範囲が4.5〜48V、スイッチング周波数は200k〜2420kHz、動作温度範囲は−40〜125℃、パッケージの外形寸法は7.8×7.6×1.0mmである。最大出力電流はBD83A04EFV-Mがチャネル当たり120mA、BD83A14EFV-Mは同150mAとなっている。同様に6チャネル品の主な仕様は3.0〜48V、200〜2420kHz、−40〜125℃、5.0×5.0×1.0mm、150mAである。
新製品は既に月産10万個体制で量産を始めている。サンプル価格(税別)は900円。コアスタッフオンラインやチップワンストップといったネット商社からも購入することができる。
ロームのウェブサイトでは、新製品を搭載したレファレンスデザイン4種類を公開している。これを活用することで、車載ディスプレイ用液晶バックライト点灯回路の検討を迅速に行うことができる。評価レポートや設計データ、搭載製品のSPICEモデル、PCB CAD用シンボルなども公開している。
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