東京農工大学は、CMOSイメージセンサー(CIS)を用いた可視光通信を行い、512色で4mのエラーレス伝送に成功した。これまでの実験では32色を用いた伝送距離が数十センチメートルであり、この記録を大幅に更新した。
東京農工大学大学院工学研究院先端情報科学部門の中山悠准教授を中心とした研究グループは2023年3月、CMOSイメージセンサー(CIS)を用いた可視光通信(OCC)を行い、512色で4mのエラーレス伝送に成功したと発表した。これまでの実験では32色を用いた伝送距離が数十センチメートルであり、この記録を大幅に更新した。
OCCは、送信側にLEDやディスプレイなどの光源を、受信側にカメラを用いる通信システム。具体的には、デジタルデータを3色LEDの色に符号化・変調し、光信号として送出する。これをカメラで撮影し動画像の中から光を抽出。そのRGB値などから、送信された信号を復調し受信する仕組みである。
使用する色数(変調多値数)を増やせば、高速に情報伝達を行うことが可能となる。一方、受信側での色識別は難しくなるという。しかも、一般的なカメラだと、画像をよりきれいに見せるための加工を内部で行うため、色の認識が難しくなることもある。
そこで今回は、ソニーセミコンダクタソリューションズの協力を得て、CMOSイメージセンサーのRAWデータを出力できるカメラを用いた。取得したセンサーデータはニューラルネットワークで補正。さらに誤り訂正符号を用いることで、OCCとして世界最高レベルの伝送を可能にした。
開発した可視光通信技術は、サイネージ広告配信やドローンなどの移動体制御、スマート農林水産業に向けた環境センシングなどに適用できるとみている。
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