TDKは2023年3月14日、車載高速インタフェースのノイズ対策用積層コモンモードフィルター「KCZ1210DH800HRTD25」を開発し、量産を開始したと発表した。動作保証温度は−55〜125℃で、ノイズ除去効果を従来比で80%向上した。
TDKは2023年3月14日、車載高速インタフェースのノイズ対策用コモンモードフィルター「KCZ1210DH800HRTD25」(以下、KCZ1210DH800)を開発し、2023年3月より量産を開始したと発表した。サイズは、奥行き1.25mm×幅1.00mm×高さ0.50mm(1210サイズ)。サンプル価格は1個あたり30円。同社の大内工場(秋田県由利本荘市)で、まずは月産1000万個の規模で量産を開始している。
KCZ1210DH800は、2022年2月に同社がリリースした「KCZ1210DHシリーズ」の追加製品だ。1GHzにおいて1000Ωという高いインピーダンスと25dB以上の挿入損失、−55〜125℃の広い動作温度範囲を実現していることが特長だ。そのため、自動車のフロントセンシングカメラで使用されるLVDSや、LiDARで使われるMIPIといった高速インタフェース規格向けのノイズ対策に適しているとTDKは説明する。
新製品では、内部電極のパターニング技術を向上することで、高いインピーダンスを実現した。「具体的にはコイルの巻き上げ数を増加した。これにより、既存品『KCZ1210DH120/500』に比べて、ノイズ除去効果が80%向上している」(同社)
端子電極の作り込みも変更した。既存製品では素体表面にAg(銀)、Cu(銅)、Ni(ニッケル)、Sn(スズ)の順にめっき層を形成していた。これに対し、KCZ1210DH800を含むKCZ1210シリーズでは、Cuメッキ部分を導電性樹脂層に変更。これにより、−55〜125℃において、厚さ1.6mmの基板に対し、2.0mmの基板曲げ量と2500μεの基板ひずみ量を実現。外因応力への耐性は、既存品に比べ2倍以上となった。
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