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» 2023年04月10日 09時30分 公開

マイコンへの高セキュリティ機能搭載を加速するSTembedded world 2023

STMicroelectronicsはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2023」において、高度なセキュリティ機能を搭載したBluetooth Low Energy 5.3対応のワイヤレスマイコン「STM32WBAシリーズ」などを紹介した。

[永山準EE Times Japan]

 STMicroelectronicsはドイツ・ニュルンベルクで開催された組み込み技術の展示会「embedded world 2023」(2023年3月14〜16日)に出展し、高度なセキュリティ機能を搭載したBluetooth Low Energy(LE) 5.3対応のワイヤレスマイコン「STM32WBAシリーズ」のデモなどを紹介した。

高い処理能力や低消費電力を実現

展示していたSTM32WBAシリーズ搭載のデモ機[クリックで拡大] 展示していたSTM32WBAシリーズ搭載のデモ機[クリックで拡大]

 STM32WBAシリーズは、同社が2023年3月7日、BLE 5.3アプリケーションに必要な性能、効率、セキュリティを提供する新製品として発表したもので、スマートホームや産業用照明、センサーなどのIoT(モノのインターネット)デバイスをターゲットとしたワイヤレスマイコンだ。

 STM32WBAシリーズは、最大100MHzで動作するArm Cortex-M33を採用し、Coremarkスコアは407。前世代と比べ2倍という高い処理能力を有している。最大1Mバイトのフラッシュメモリと128KバイトのRAMを内蔵する他、12ビットA-Dコンバーターやタッチセンシング、タイマーなどのペリフェラルも搭載。STM32Cube開発エコシステムに対応しているため、既存のSTM32WBワイヤレスマイコンやその他のSTM32マイコンから簡単に移行できるという。

 最大出力は+10dBmと高く、最大2Mビット/秒のデータ転送速度で安定した長距離通信が可能、最大20の同時接続にも対応している。また、同社が2021年に発表した超低消費電力マイコン「STM32U5シリーズ」と共通の低消費電力技術を多く採用。40nmプロセス採用による低消費電力化および性能/機能の向上のほか、ペリフェラルからDMA(ダイレクトメモリアクセス)経由のデータ転送をCPUコアを停止したまま実行する「LPBAM」(ローパワーバックグラウンド自律動作モード)やSTOP0、STOP1およびスタンバイモードもサポート。消費電流は、64KバイトのRAMを使用するストップモード時は16.3μA、RTC(リアルタイムクロック)を使用するスタンバイモード時は200nAと抑えている。

同社初の「SESIPレベル3対応」ワイヤレスマイコン

 説明担当者は、STM32WBAシリーズについて、「高レベルのセキュリティをIoTアプリケーションに提供できるのが大きな利点だ」と強調していた。Armの「TrustZone」によるハードウェアベースのセキュリティを実装したCortex-M33搭載のSTM32WBAシリーズは、PSA Certifiedおよび、IoTプラットフォームのセキュリティ評価基準「Security Evaluation Standard for IoT Platforms(SESIP)」のLevel 3認定を同社のワイヤレスマイコンとして初めて取得しているという。

 STM32WBAシリーズは、Armの「Trusted Firmware-M」ベースのセキュアなソフトウェアソリューション「STM32Trust TEE TF-M」に対応、セキュアブート、セキュアファームウェアアップデート、暗号化、実行時の構成証明を含むPSA immutable Root of Trust(RoT)などの機能を搭載している。また、サイドチャネル攻撃に対するAES暗号化アクセラレーターおよび公開鍵アクセラレーター(PKA)やHUK(Hardware Unique Key)の搭載など、物理的な攻撃に対する耐性も向上。「データやIP(Intellectual Property)の保護およびハッキングやデバイスの複製を防止する高度なセキュリティ機能を提供し、機密性の高い情報を保護する」としている。

STM32WBAシリーズのセキュリティ機能の概要[クリックで拡大] 出所:STMicroelectronics STM32WBAシリーズのセキュリティ機能の概要[クリックで拡大] 出所:STMicroelectronics

 今回、ブースではTrustZoneによってセキュアなドアロックを実現するアプリケーションのデモを紹介していた。デモでは、スマホのアプリからBLE5.2を介しSTM32WBAシリーズと通信。ドアの開閉を管理するシステムはセキュアエリアから実行され、攻撃から鍵を完全に保護。スマートフォンを介してプロビジョンサービスを実行し、鍵を安全に更新することで、エンドツーエンドのセキュリティを実現していた。

STM32WBAシリーズのデモの構成[クリックで拡大]

 会場ではこのほか、同社がSTM32WBAシリーズと同時に発表した、最大250MHz動作のCortex-M33搭載汎用マイコン「STM32H5シリーズ」も展示。STM32H5シリーズで初めて採用したセキュリティソリューション「STM32Trust TEE Secure Manager」について紹介していた。

STM32Trust TEE Secure Managerの概要デモではSTM32Trust TEE Secure ManagerがAIエンジンのパフォーマンスに与える影響について紹介していた デモではSTM32Trust TEE Secure ManagerがAIエンジンのパフォーマンスに与える影響について紹介していた[クリックで拡大]

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