世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2023」が、ドイツ・ニュルンベルクで開幕した。会期は2023年5月9〜11日で、30カ国以上から500以上の企業/団体が参加。展示エリアは3万平方メートルで過去最大になった。
世界最大規模のパワーエレクトロニクス展示会「PCIM Europe 2023」が、ドイツ・ニュルンベルクで開幕した。会期は2023年5月9〜11日で、30カ国以上から集まった500以上の企業/団体が、過去最大になる3万m2の展示エリアに並び、パワーエレクトロニクス分野の最新技術やイノベーションを紹介している。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響によるオンライン開催を経て2022年、3年ぶりにリアル開催に戻ったPCIM Europe。世界的な脱炭素への取り組みの加速を背景にパワーエレクトロニクスの重要性に注目が集まる中、今回の出展者数は500以上と、2022年の384から大きく増加し、コロナ禍前の2019年の記録である515に匹敵する規模にまで回復した。さらに、展示エリアは2019年の2万5000m2を上回る3万m2で、過去最大規模になっている。出展者もInfineon TechnologiesやSTMicroelectronics、Robert Boschをはじめとした欧州勢はもちろん、onsemiやWolfspeedといった米国企業など世界各国から出展。三菱電機や富士電機、東芝、ローム、日立など、日系企業も多く参加している。今回は、出展者のうち57%がドイツ外からの出展になっている。
今回のPCIM Europeでは、持続可能性というテーマが強調されてる。初日に行われたFronius Internationalのパワーエレクトロニクスエンジニア、Franz Musil氏による講演「ライフサイクル分析がパワーエレクトロニクスコンバーター設計に与える影響」をはじめ、予定されている3つの基調講演は、いずれも持続可能なパワーエレクトロニクスソリューションに関連する内容となっている。また、PCIMでは毎年、業界のトレンドトピックを取り上げる特別展示エリアを設置しているが、今回、同エリアでは「E-Mobilityとエネルギー貯蔵」に焦点を当てた出展が並んでいる。エリア内では特設ステージも用意され、出展各社が同分野における最新の製品/イノベーションについて発表を行っている。
SiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)などのワイドバンドギャップ(WBG)パワー半導体の技術革新の展示も目立っている。Infineon Technologiesやonsemi、ロームなどの大手パワー半導体メーカーをはじめ、さまざまな企業がWBGパワー半導体の市場導入事例や最新製品などを紹介している。
展示に並行して行われるカンファレンスでは、シリコンやWBGパワー半導体のほか、革新的パッケージング技術、E-Mobility、再生可能エネルギー技術などの最新動向をトピックとした約400件のプレゼンテーションが予定されている。
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