半導体設計メーカーNVIDIAは、近い将来、中国メーカーとの厳しい競争に直面する可能性があることを認識している。
NVIDIAのオートモーティブ担当バイスプレジデントであるDanny Shapiro氏は、EE Timesの取材に応じ、「われわれは常に、より良くなるための競争を大いに利用したいと考えている。それは、プラットフォーム全体の開発やネットワーキング、エコシステムの膨大なソフトウェア、ライブラリやアルゴリズムなどだ。成功するためには、確実に全てのものを開発しなければならない」と述べている。
Shapiro氏は、中国製EVが世界中の注目を集めるであろうことを認めている。
「私は中国製EVに乗った時、大きな感銘を受けた。イノベーションや技術、品質が非常に優れているのだ。基本的技術の観点から、特に安全運転支援システムや自律走行など、われわれが深く関与しているものについては、数多くの素晴らしい取り組みが進められていることが分かる」(Shapiro氏)
NVIDIAは、BYDやLi Auto、Nioなどのさまざまな中国EVメーカーだけでなく、Mercedes-BenzやJaguar、Volvoなどの実績あるブランドにも半導体チップを供給している。
また台湾では、電子機器製造サービス企業FoxconnともにEVアライアンスに参加していて、AppleのようにEV事業に慎重に参入しつつある企業との提携を目指している。Foxconnは最近、「NVIDIA DRIVE Thor」プロセッサやセンサーアーキテクチャをはじめ、『NVIDIA DRIVE Hyperion 9』プラットフォームを搭載したEVを提供する予定だ」と発表している。
米国の半導体設計メーカーであるAmbarellaは、成長を遂げている中国EVチップ市場に焦点を絞っている。
アナリストたちは、「現在のところ、米国に拠点を置くTeslaが、EVの売上高や技術の面で世界的リーダーの座を維持している」と述べる。
TeslaのCEOであるElon Musk氏は、2023年12月に開催されたNew York Timesのイベント「DealBook Summit」で行われたインタビューの中で、「当社の『Model Y』は2023年に、世界中で最もよく売れた自動車になるだろう。最も競争が厳しいのは、間違いなく中国市場だ」と述べている。
【翻訳:田中留美、編集:EE Times Japan】
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