ASMLは2023年12月22日、初の高NA(開口数)EUV(極端紫外線)露光装置をIntelに出荷すると発表した。開口数(NA)が0.55の高NA EUV露光装置のプロトタイプ「Twinscan EXE:5000」とみられる。
ASMLは2023年12月22日、最初の高NA(開口数)EUV(極端紫外線)露光装置をIntelに出荷すると発表した。X(旧Twitter)の投稿で明かした。
ASMLはX上で、赤いリボンがまかれた装置輸送用のコンテナの画像とともに、「Intelに初の高NA EUVシステムを出荷できることをうれしく、誇りに思う」といったコメントを投稿した。Intelはこの投稿を引用する形で、「初の高NA EUVシステムを受け取ることは、半導体製造を加速する上で極めて重要な一歩だ」「『ムーアの法則』を前進させる高NA EUV技術の実用化が待ち遠しい」などと投稿している。
Intelは2018年、ASMLに開口数(NA)が0.55の高NA EUV露光装置のプロトタイプ「Twinscan EXE:5000」を注文。2022年1月にはその量産機である「Twinscan EXE:5200」も他社に先駆けて発注したことを発表している。ASMLは、2021年の投資家向けイベントにおいて、高NA EUV技術による量産対応を2025年に開始予定と公表していたことから、Intelは発注時の発表において、2025年に高NA EUV露光装置を導入した量産開始を目指す方針を示していた。
Intelが2021年、Intel 7からIntel 4、Intel3、Intel 20A、Intel 18Aまでの5つのプロセスノードの開発計画を打ち出した当初、Intel 18Aの量産は2025年を予定していたことから、この量産に初めて高NA EUV露光装置が導入されることが予想されていた。
ただ、Intelはその後、Intel 18Aの量産開始予定を2024年後半に前倒すことを公表。さらに、2023年9月のイベント「Intel Innovation 2023」において、2024年第1四半期にIntel 18Aの試作を開始することと同時に、開発の一環でIntel 18Aに高NA EUV露光装置を用いる一方で、量産への導入はIntel 18Aの次のプロセスに(Intel Nextと記載)なると明かした(なお、2023年12月にIntelの日本法人インテルが開催した会見で公開されたスライドではIntel Nextのさらに次のプロセスに位置する「Intel Next+」の下に「高開口数(HiNA)」の記載があった)
Intelは2023年10月、米国オレゴン州ヒルズボロにある半導体技術開発施設を拡張する、大規模投資計画を発表。同施設に2023年中に、高NA EUV装置が納入される計画となっている。Intelが「Gordon Moore Park」と呼ぶ同拠点は、Intelのグローバル技術開発組織の本部で、同社の製品ロードマップを支える新たなトランジスタアーキテクチャ、ウエハープロセス、パッケージング技術を開発する役割を担っている。
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