Infineon Technologiesは2024年1月30日(ドイツ時間)、1つのToFイメージセンサーと2種類の照明を組み合わせた次世代スマートロボット用ハイブリッドToF(hToF)ソリューションを開発したと発表した。
Infineon Technologiesは2024年1月30日(ドイツ時間)、1つのToF(Time-of-Flight)イメージセンサーと2種類の照明を組み合わせた次世代スマートロボット用ハイブリッドToF(hToF)ソリューションを開発したと発表した。スマートロボットのメンテナンスの労力とコストを大幅に削減可能としている。
デバイスメーカーのJiangxi OMS Microelectronicsおよび、3D ToF技術を手掛けるドイツのpmdtechnologiesと共同で開発した。
ToFセンサーは、解像度、測定距離、外光耐性がそれぞれトレードオフの関係にあり、全ての性能を同時に向上させることが難しかった。iToF(indirect ToF)方式は高解像度を見込める一方で測定距離が限られ、dToF(direct ToF)方式は長距離測定が可能な一方で解像度を高めにくい性質を持つ方式だ。hToFは、iToF方式とdToF方式を組み合わせた技術で、外光耐性や、解像度を高めながら長距離測定が可能となる。
InfineonはiToF方式の3D ToFイメージセンサーファミリー「REAL3」を展開している。同社は今回、REAL3 ToFセンサーと均質なフラッド照明、強力なスポットグリッド照明を組み合わせた新たなhToFソリューションを開発。ロボットの進路上にある微小な物体を確認し、その周囲をナビゲートするために使用されてきたiToFによる高解像度技術に、正確な長距離スポットデータを追加することで、強い日差しや暗がりといった厳しい光環境下においても、より高解像度なセンシングや3次元マッピングが実現できるという。
用途は、ロボット掃除機の他、空気清浄機や業務用ロボットなどを想定している。ロボット掃除機の上部に取り付けられているLDS(Laser Distance Scanner)を同ソリューション(31×16×8mm)に置き換えることで、ロボット掃除機の高さを20〜30%削減できるという。これにより、隙間の少ない家具の下でも小回りが利いた動作が可能になる。
また、時間経過とともに摩耗する可動部品がないため、センサーの寿命を延ばし、システムコストと運用コストを削減できる。
Infineonのアンビエント センシング担当バイスプレジデントのAndreas Kopetz氏は「われわれのhToFソリューションは、幅広いアプリケーションで急速に拡大する民生ロボット市場に対応し、1台のカメラで複数のカメラを置き換えることによりシステムコストと複雑さを低減した上で、顧客が独自のロボット設計を考案することを可能にする」と語った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.