業績を2023年度第3四半期累計(4〜12月)で見ると、売上高は計画比+1%の1804億円、営業利益は同+16億円で227億円の赤字、純利益は計画通りで380億円の赤字となった。
売上高を事業別にみると、コア事業は、車載向けが中長期的成長トレンドは継続しているものの、不採算製品からの撤退の影響から前年同期比では1.3%減の983億円だった。一方、スマートウォッチ/VRなど向けはスマートウォッチ向けOLEDの販売増から同17.6%増の566億円に成長した。
ノンコア事業のスマホ向け液晶は、事業撤退方針に基づき戦略的に縮小していることから同57.7%減の255億円となっている。
営業利益は前述の固定費削減の効果(+88億円)や為替影響(+16億円)があったが、売上高の減少による数量減(−106億円)およびミックスの悪化(−17億円)、エネルギー費高(−13億円)、その他在庫の評価減など(−21億円)が影響し、損失が拡大している。なお、ミックスの悪化について、坂口氏は、「当初計画ではスマホ向け液晶撤退による限界利益の減少をVR向けの拡販で補おうと計画していたが、VRが現在踊り場になっていて、計画ほど拡販ができていない状況にある」と説明していた。
ただ、同社は営業利益について、計画比では上振れて着地したとしている。一方で純利益は、LCDの関連資産の減損損失として計上した110億円が営業利益の上振れ分を相殺する形となり、計画通りである380億円の赤字で着地した。
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