Infineon Technologiesはフィリピンと韓国に所有する後工程の2工場を、大手OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)である台湾ASE Technology Holdingの子会社に売却すると発表した。ASE側は買収後、現在の従業員とともに事業を引き継ぐ。
Infineon Technologies(以下、Infineon)は2024年2月22日(ドイツ時間)、フィリピンと韓国の後工程製造拠点を、大手OSAT(Outsourced Semiconductor Assembly and Test)である台湾ASE Technology Holding(以下、ASE)の子会社に売却すると発表した。2024年第2四半期末の取引完了を予定している。
Infineonが売却するのはフィリピン・カビテでInfineon Technologies ManufacturingのPhilippine Branch(以下、Philippine Branch)として運営する工場と、韓国・天安(チョナン)でInfineon Technologies Power Semitech(以下、Power Semitech)として運営する2拠点だ。それぞれ、ASEの完全子会社であるASE Inc.とASE Korea Inc.に売却する。現在、Philippine Branchには900人以上、Power Semitechには約300人の従業員が勤務しているが、ASE側は買収後、現在の従業員とともに事業を引き継ぐ予定だ。また、InfineonとASEは長期供給契約を締結していて、Infineonは「顧客をサポートし、既存のコミットメントを履行するために、既存サービスだけでなく、新製品のサービスも引き続き受ける」と説明している。
Infineonは製造戦略として、自社製造と外部製造を組み合わせたバランスを重視する事業展開を進めている。今回の2拠点売却もこの戦略に沿ったもので、「相互のシナジー効果を発揮し、両社のさらなる成長を可能にするものだ」としている。Infineonのエグゼクティブバイスプレジデント兼バックエンドオペレーション責任者のAlexander Gorski氏は、「ASEは長年にわたりInfineonの戦略的パートナーであり、同社の下で両ファブはさらに強化されるだろう」とコメントしている。
ASEの最高執行責任者(COO)であるTien Wu氏は、「車載およびパワーマネジメントの両市場はASEの戦略的重点分野だ。今回の2拠点の買収は、将来の成長機会にマッチした後工程製造ソリューションの開発においてInfineonと戦略的な長期パートナーシップを形成するという当社の強いコミットメントを示すものだ」と述べている。
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