東レは、ハイブリッドボンディング(微細接合)に対応した絶縁樹脂材料を新たに開発した。今後、材料認定を受け2028年にも量産を始める予定。半導体高密度実装における収率と信頼性向上を目指す。
東レは2024年3月、ハイブリッドボンディング(微細接合)に対応した絶縁樹脂材料を新たに開発したと発表した。今後、材料認定を受け2028年にも量産を始める予定。半導体高密度実装における収率と信頼性向上を目指す。
新規に開発した絶縁樹脂材料は、半導体やディスプレイ向けに供給しているポリイミドコーティング剤(セミコファインおよびフォトニース)をベースに、接合技術などを融合して開発した。金属電極を形成した半導体チップ同士を接合するハイブリッドボンディングプロセスにおいて、その収率と半導体デバイスの信頼性向上が可能になるという。
ハイブリッドボンディングでは、異種チップを高密度実装するため、片方のウエハー基板をチップサイズに加工した後に、もう一方のウエハー基板に貼り合わせる「C2W(Chip to Wafer)」と呼ばれる方法が注目されている。この時、絶縁材料には二酸化ケイ素(SiO2)など無機材料を用いることが多い。ところがC2W法を用いると、チップ加工時に発生するシリコンダストの影響で、歩留まりや信頼性が低下する可能性があるという。
東レは2020年から、高い耐熱性や機械物性を有する絶縁樹脂材料(ポリマー)を用い、IME(Institute of Microelectronics)と連携して、ハイブリッドボンディングの実証実験に取り組んできた。これらの研究成果から、開発した絶縁樹脂材料がC2W方式のハイブリッドボンディングに適用できることを確認した。今後、顧客に対するサンプル品の提供を始め、材料認定を受けて量産に入る。
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