はんだ付けに関する最近のトピックスに「スルーホールリフロー」がある。リード付き部品はふつう、フローはんだ付け(「噴流はんだ付け」「ウエーブソルダリング」とも呼ぶ)でプリント基板に実装する。しかし最近は表面実装の普及により、大半の部品をリフローはんだ付けでプリント基板に接続するようになった。
ここでごく一部の部品のためだけにフローはんだ付け工程を用意することは、設備投資や設備管理、はんだ付け工程管理などの負担が増えることを意味する。そこでリード付き部品を含めてリフローはんだ付けで実装し、フローはんだ付け工程を不要にすることが求められている。リード付き部品は、当然ながらプリント基板にリードを通すための貫通孔(スルーホール)を要する。スルーホールに挿入した部品をリフローではんだ付けすることから、「スルーホールリフロー(THR:Through Hole Reflow)」と呼ぶ。
THRに対応したリード付き電子部品は、リフローはんだ付け工程による高温のプロセスに耐えなければならない。例えば車載エレクトロニクス向けのTHR対応アルミ電解コンデンサ製品では、推奨リフロー条件としてピーク温度を240℃以下、230℃を超える時間を20秒以内、プレヒート(150℃〜180℃)時間を120秒以内、リフロー回数を2回以内と規定している。
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