ロームはSiC MOSFETの開発を加速し、2025年に予定する第5世代品のリリース以降、2027年には第6世代、2029年に第7世代と2年ごとに新世代品を投入する計画を明かした。1世代ごとにオン抵抗を30%削減するという。
ロームはSiC(炭化ケイ素)MOSFETの開発を加速し、2025年に予定する第5世代品のリリース以降、2027年には第6世代、2029年に第7世代と2年ごとに新世代品を投入する計画を明かした。
2024年6月11日(ドイツ時間)、ドイツ・ニュルンベルクで開催中の世界最大規模のパワーエレクトロニクス専門展示会「PCIM Europe 2024」(2024年6月11〜13日)でロームが記者会見を開き、同社取締役常務執行役員パワーデバイス事業担当の伊野和英氏が説明した。
ロームは2021年に現行世代である第4世代SiC MOSFETの量産を開始していて、2025年には第4世代から規格化オン抵抗(単位面積当たりのオン抵抗)を30%低減する第5世代品のリリースを予定している。
また、2022年には国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「グリーンイノベーション基金事業/次世代デジタルインフラの構築」プロジェクトの研究開発項目の1つである「次世代パワー半導体デバイス製造技術開発」として、ロームの「8インチ次世代SiC MOSFETの開発」が採択されていて、新世代品の開発を加速。これまで2025年から3年後となる2028年のリリース予定としていたが第6世代品について、今回、ここから1年前倒して2027年にすると明かした。さらに、その先の第7世代についても初めて言及。同様に2年後の2029年に投入する予定とした。第6世代、第7世代とも前世代から規格化オン抵抗を30%削減する見通しだという。
SiC MOSFETの新世代品についてはもともと並行した開発を行っているが、2023年秋からは筑後(ローム・アポロ筑後工場)で8インチでの開発を進めていて「良い結果が出ている」(伊野氏)と同時に、2年ごとの投入としても「オン抵抗30%削減の見通しは立った」と説明。通常約5年ごとという自動車の開発サイクルに向けて機会を逃さぬよう、新世代品投入の間隔を短縮し競争力を高めることを狙っているという。
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